「東京を節電都市に」‐都民主党PTに聞く

伊藤悠都議会議員

都議会民主党はこのほど、夏場の電力不測に対応する「省エネルギー型東京づくり・アクションプラン」をまとめ、都知事に提出した。エネルギー抑制対策プロジェクトチーム(PT)事務局長の伊藤悠都議会議員(目黒区選出)はオルタナのインタビューに応じ、「超党派で都民の生活防衛と安全なエネルギーシフトの議論を進めたい」と、建設的な節電・エネルギー政策の議論に期待を示した。民主党は4月に4選を果たした石原慎太郎都知事に対する最大野党となる。主な一問一答は次の通り。(聞き手・オルタナ編集部=石井孝明)

――民主党の自販機規制案は、関係者に波紋を広げた。

伊藤議員・私たちは自販機・清涼飲料業界を狙い撃ちして「ビジネスを止めろ」と言うつもりはない。夏場の東京では電力不足が懸念されるが、ピーク時点の冷却機能の停止を要請した。業界は積極的な電力抑制の自主対策に動き、それを評価して規制提言を見送った。

――夏場の電力不足に際して都民の生活防衛のための手段をどのように考えているか。

アクションプランでは「商業施設の過剰な冷房を抑制するルールづくり」「ビル照明の基準の明確化を国に求める」「都立学校の省エネ優秀校の予算(学校エコポイント)増額」などを、即座に実施可能な政策を打ち出した。私たちは強制よりも、都民の皆さまと企業の自主対策で乗り越えるのが一番良いと考えている。

――6月からの都議会での議論はどのような方向になる見込みか。

個人的な期待を言えばオール都議会で節電対策をまとめたいと思う。都民の皆さまの生活を守ることは知事・都庁、そして議会各派も必ず一致する。また節電は気分の暗いものになりがちだが「未来を作る」という目的に基づく、明るく希望の持てる対策にしたい。

――東京のエネルギーの未来像を、どのように考えるか。

長期的な方向としては自然エネルギーへの転換をするべきは間違いない。しかし都民の生活を守るという点では、早急な脱原発は現実的ではないだろう。私たちは石原知事には是々非々で向き合っている。都の環境政策は、ディーゼル規制など優れた点もある。多くの関係者と協力しながら、今回の節電をきっかけに都市の省エネ化を加速させたい。

都議会民主党「省エネルギー型東京づくり・アクションプラン」

http://www.togikai-minsyuto.jp/news/post_430.html

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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