藻類エネルギー、実用化を待つ研究成果

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京大の村田幸作教授の研究成果。バイオテクノロジーを駆使して、世界で初めて海藻(アルギン酸)からエタノールをつくった

小さな藻や海藻からエネルギーを取り出す研究で、日本が相次いで成果を上げている。しかし、いずれも実用化には、こぎつけていない。食料と競合しない代替エネルギーには、国内外から熱い期待が寄せられている。

電力中央研究所の神田英輝主任研究員は、アオコから「緑の原油」を常温で効率よく取り出す方法を開発し、2010年3月に発表した。アオコは、富栄養化した湖や池に大量発生する藍藻類で、細胞内に油を含む。その抽出に環境負荷の少ない「DME」という溶剤を使って、従来の乾燥、細胞壁の破壊、有毒な溶剤の除去といった複雑な工程を不要にし、省エネと低コスト化を実現した。

筑波大学大学院の渡邉信教授は、石油の主成分である炭化水素を多く生産する藻を沖縄の海で発見し、2010年12月の「第1回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット」で発表した。このオーランチオキトリウムという微細藻類は、それまで研究されてきたボトリオコッカスという藻の10倍以上の効率で炭化水素を生産する。

京都大学の村田幸作教授は2011年4月に、アルギン酸からエタノールをつくる技術を世界で初めて確立した。コンブやホンダワラなど褐藻類の主成分であるアルギン酸を、細菌のはたらきを利用してエタノールに転換する。このバイオテクノロジーは、各種バイオマス(生物資源)からエタノールやブタノール、プロパノールなどアルコール燃料をつくりだす研究に応用できるという。

海外でも研究成果が上がっており、それぞれの実用化に向けて研究者や企業がしのぎを削っている。震災後の2011年4月の衆議院予算委員会では、新党日本の田中康夫代表が「国策として展開すべき」クリーンエネルギーとして、オーランチオキトリウムに言及した。

2011年7月には、藻類にテーマをしぼったバイオマス燃料の国際会議「Algal Biomass, Biofuels and Bioproducts」の第1回が米国で開催される。日本からは、オーランチオキトリウムを発見した渡邊教授が登壇予定だ。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)2011年6月12日

2011年6月13日(月)16:41

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