eco実験パフォーマー「らんま先生」

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日本唯一のeco実験パフォーマー「らんま先生」こと石渡学さん

茶色の水が入ったペットボトルを取り出す。「振ると不思議なことが起こるよ」。ボトルを振ると水が透明になり、子どもたちの歓声が響く。そこで、「世界で飲める水は1%以下。水を大切にしようね」とメッセージを伝える。この実験は、ヨードとビタミンCを混ぜると色が変わる酸化還元の化学反応を応用したものだ。

これは日本唯一のeco実験パフォーマー「らんま先生」こと石渡学さん(39)のショーの一部だ。科学マジック、ジャグリング、バランス芸を演じつつ、楽しみながら環境問題を学んでもらう。語り口は優しく暖かい。

もとは養護施設の先生で、複雑な家庭環境の子どもと10年間向き合ってきた。「らんま」という芸名は、英語の学ぶ(LEARN)と自分の名前から付けた。学生時代はNGOに参加し、環境保護活動に力を入れてきた。

自分では、まじめに人生を送っていると思っていたが、31歳のときに離婚問題に苦しんだ。人生に疲れ切った時に上野公園でのパフォーマンスを見て、久しぶりに心の底から笑った。これが転機になった。気分を変えるために始めたジャグリングが趣味になり、コンテストに出場すると上位入賞や優勝をし、新しい自分の可能性を感じるようになる。ジャグリングとは、複数の物を空中に投げたり取ったりを繰り返す技術で、大道芸やサーカスの曲芸でも見られるショーだ。

「パフォーマンスで人を楽しませたい」。こんな気持ちが強まり2005年に先生を辞めてプロとして活動をはじめた。「先生を辞めて、何をやっているのか」。周囲の不思議がる視線に囲まれた。路上パフォーマンスから始め、劇場のライブが関心を集めて次第に人気が出た。

芸能部門では日本初となる環境省の「環境カウンセラー」に認定されるなど、今では活動に注目が集まっている。再婚して仕事も順調で、妻と2歳半の息子と幸せに暮らす。

学校や環境イベント、劇場でのライブなど、さまざまな場でショーや環境講演を1500回以上行った。「100回を超えたころから度胸がつき、1000回をこえると、どんなトラブルでもそれなりに対応できるようになった」。パフォーマンスでは常に全力を出し切りたいという。「難しい環境問題を少しでも楽しみながら、身近に感じてもらえるパフォーマンスがしたい」。

被災地の子どもを元気づけようと宮城県名取市でもパフォーマンスを行った

人々の反応から見えてくるものがある。社会にエコという言葉が溢れるが、環境を守る活動を自分の生活とは別のことと思う人が意外に多いと感じている。

「『エコをセコ』、つまり節約でなくただセコイだけとか、つまらないものと思う人もいる。生活の中でちょっと環境問題を意識してもらうだけで、世の中を楽しく、幸せにできることを伝えたい」。環境パフォーマンスが、暗くなりがちな世相を明るく変えることを夢見る。(オルタナ編集部=石井孝明)

■らんま先生のホームページ

http://www7b.biglobe.ne.jp/~ranma-sensei/

2011年7月6日(水)11:24

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