九電の動員工作「今さらという感じ」

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九州電力が公表した「やらせメール」の文面

玄海原発の再稼働をめぐる住民説明会での「やらせメール」問題が発覚した九州電力。同社は2005年から10年にかけて、佐賀や鹿児島の各県内で計6回行われた原発の住民説明会やシンポジウムでも、社員や取引先に対して動員要請をかけていたと報じられた。九州で脱原発の取り組みに関わるNPO九州・自然エネルギー推進ネットワークの小坂正則代表は27日、「九電は以前から説明会などへの動員を行っていた。(報道は)今さらという感じがする」と話した。

■「九電は反省していないのでは」

小坂代表は、「やらせメール」や組織動員の事実が発覚した今に至っても「九電社員や協力企業などの原発関係者は反省していないのでは」と考える。

「九電幹部はやらせメールが発覚した後も『反対派が動員をかけているのに推進派が動員をかけて何が悪い』と言っていた。悪いと分かっていないのが大きな問題で、感覚がマヒしている。仮にメールなどで意見を表明するにしても、原発関係者の身分を隠し、一般市民を装う『なりすまし』は明らかに間違いだ。犯罪と言っていい」

小坂代表の言葉を裏付けるように、12日の読売新聞九州版は「反対派も人集めやってるんですから、こちらも集めないと」との九電取締役の言葉を伝える。

■電力会社の意識「まるで宗教」

こうした意識が九州電力内部で醸成された背景について、小坂氏は「九電に限らず、原子力事業について第三者の視点で冷静に判断する立場が日本になかったことが原因」と指摘する。

「電力会社は原子力事業を進める上で常に社会の審判を受ける立場。それなのに、批判されると『バッシングを受けている』と被害妄想にとらわれる。しかも電力会社の中には『津波対策を実施すれば反対派の思う壺』と考えている人もいると聞く。これはほとんど宗教の感覚に近い」

「経済性ありき」で暴走した原子力政策が、事業者である電力企業の安全意識を歪ませ、社会常識からかい離した企業風土を生んだとはいえないか。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年7月28日

2011年7月28日(木)17:02

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