加計呂麻、奄美の森林伐採計画白紙に

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計画撤回は融資打ち切りが原因か?

7月上旬、奄美大島と加計呂麻島での、民間企業による伐採計画からの撤退が発表された。加計呂麻島では、森林面積の半分近くを伐採する計画があり、土砂崩れや水害、海の汚染などが懸念されていた。背景には、金融機関の融資打ち切りの影響が大きいとの話もある。

昨年1月、奄美大島の南に位置する人口1500人ほどの静かな森の島、加計呂麻島で、突然木材チップ工場の建設が始まった。島内の一部利害関係者以外は噂でしか知らないままの着工だった。驚いた島内有志らは、計画を進めていた大東海運産業(鹿児島市)に要望し、ようやく事業内容の説明会が島民に向けて行われた。

この事業計画では、加計呂麻島の森林面積の47%を35年かけて伐採することになっていた。地盤が脆弱な加計呂麻島では、土砂崩れや水害、赤土の流出による海の汚染、水源の枯渇、固有種の多い希少野生動植物への悪影響が懸念されていた。さらに、検討中の国立公園化・世界遺産化への障害になることもあり、地元住民を中心に署名活動が始められた。

その後、工場用地が地権者に無断で農地から転用されていたことなどもあり、企業側は工場を奄美大島に移動することを決定。加計呂麻島に加えて奄美大島でも伐採を行うことを発表したため、反対運動はさらに拡大した。

署名運動では、加計呂麻島の島民有権者の8割、署名総数は全国から3万以上を集めた。こうした動きを受け奄美市は、昨年9月に計画の撤回を要請した。大東海運産業は、国立公園のゾーニング決定までの計画休止を固めた一方で、ゾーニング決定後はチップ工場の稼働と伐採をしたいとしていた。

ところが一転、7月上旬には、大東海運産業の代表が奄美市と瀬戸内町、県支庁を訪れ口頭で事業の撤退を伝えたと言う。事情に詳しい地元関係者によると、背景には、金融機関の融資打ち切りの影響が大きかったという。こうした環境問題で、金融機関がCSRを重視した融資を行うようになってきているならば、歓迎すべきことといえるだろう。

オルタナでは大東海運産業に取材を申し込んだが17日現在、担当者と連絡が取れていない。(坂田正明)

2011年8月17日(水)11:26

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