対立する住民と市、横浜市の焼却灰処理問題

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下水道センターの一角に詰まれたセシウムを含む焼却灰

セシウムが含まれた焼却灰を海に捨てないで―。横浜市が15日以降に予定していた南本牧最終処分場への焼却灰埋設計画は、地元住民の抗議によって凍結された。だが、溜まる一方の焼却灰をどう処分したらよいのか。多くの自治体が抱える同様の問題に対して、答えはでていない。

問題となった焼却灰は下水に含まれる汚泥を処理する過程から出るもので、最大で1キログラムあたり6468ベクレルのセシウムが含まれていた。

政府は8000ベクレルを下回る焼却灰に関して埋め立て処分を可能としている。このため、横浜市では棄物最終処分場に焼却灰を埋め立てる方針を打ち出したが、住民から環境汚染を進めると抗議を受け、14日に計画の凍結を決めた。

横浜市は、専門家による安全性評価を得た上での実施であり危険性はないと訴える。だが反対運動を行う「南本牧処分場への放射性焼却灰海面埋め立てに反対する会」の渡辺純さんは、「そもそも国の出している放射線安全基準を、私たちは安全と思っていない。放射性物質を想定していない処理方法で処分することには、到底納得が出来ない」と不信感をあらわにする。

処分場に焼却灰を埋設した場合、外洋と処分場を分ける遮水壁から汚染水が流入するのではないかといわれている懸念に対しても、「土胆層まで杭を打ち込み、汚染水の海への流入はありえない」と説明する市に対して、反対する会の伊藤良彦さんは「海中で鉄の箱を土嚢のように積んであるだけの場所もあるなど、遮蔽されているとは言い難い」と反論する。

また、問題がこじれた理由の一つに市側の説明不足がある。計画に対する住民への事前説明がなかったことから、市民の不安を増長した。

計画凍結で行き場を失った焼却灰は現在、市の汚泥資源化センターに保管されている。だが、「年内には置き場所が一杯になる」(高橋慎治 下水道施設部北部下水道センターセンター長)ことから、早急な対応が必要だ。(形山 昌由)

2011年9月30日(金)8:32

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