藻類「イシクラゲ」は除染の切り札か?

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福島県内で採取したイシクラゲ (マイクロアルジェコーポレーション提供)

土壌表面でノリのように固まって生息する微細藻類の一種「イシクラゲ」に、放射能の除染効果が期待されている。

今夏に福島県内で行われた調査で、イシクラゲの生えている土壌中の放射性セシウムが周辺土壌に比べて半減していることがわかった。

調査を行った微細藻類の研究開発会社「マイクロアルジェコーポレーション」(岐阜市)と、いわき明星大学(福島県)の佐々木秀明准教授らのグループは、イシクラゲのセシウム吸収率が他の植物より極めて高いとみて、本格的な除染実験に乗り出す。

イシクラゲは日本各地に生息し、沖縄や滋賀、和歌山などでは食用藍藻として古くから知られてきた。近年はクロレラなどと同じ微細藻類としての研究が進み、抗酸化作用や免疫増強作用のほか、放射線に対しても強い耐性をもつことがわかっている。

調査グループは8月、いわき市と二本松市の9カ所の河原などで自生しているイシクラゲを採取。表面をよく洗浄して放射線検出器で測定したところ、最高で1kg当たり8万1700ベクレル(Bq)の放射性セシウムが検出された。

一方、このイシクラゲが生えていた土壌(表面から5cm以内)のセシウム量は同1万1790Bqで、15mほど離れたイシクラゲが生えていない土壌より約4割少なかった。他の場所では52%減少していた土壌があった。

この結果から、イシクラゲは土壌の放射性セシウムを高い割合で吸収していると推定。ただし、風雨でイシクラゲに直接降り注いだセシウムが吸収されていることも考えられ、今後は実験室での研究を経て、福島県内でイシクラゲを新たに育てて効果を確かめる。

植物による除染はヒマワリや菜の花などで試みられているが、大きな効果が出ておらず、実験後の保管や処理も課題となっている。イシクラゲは乾燥させると体積が20分の1以下に減り、処理もしやすいという利点がある。

マイクロ社はデンソーと共同で微細藻類を使ったバイオ燃料の研究をしており、竹中裕行社長は「まだわからないメカニズムは多いが、除染効果や最終処理方法が確立されれば、イシクラゲの大量培養も進めたい」としている。

調査結果は11月下旬に長崎市で開かれる極限環境生物学会で発表される予定だ。(オルタナ編集委員=関口威人)

 

2011年10月14日(金)9:30

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