「自然エネに大きな可能性、あとは実行だ」

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「自然エネの普及はビジネス上のメリットがある」と強調するカール−A・フェヒナー監督

自然エネルギーの普及を世界各地で追ったドイツのドキュメンタリー映画「第4の革命――エネルギーデモクラシー」が2012年1月から日本で公開される。

カール−A・フェヒナー監督が10月に来日し、このほどオルタナの取材に応じた。同監督は「自然エネルギーには巨大な可能性がある。社会を作り替えれば脱原発も可能だ」と強調した。

この映画は自然エネルギーの普及が進むドイツで多くの人々の支持を集めた。2010年の公開後、自主上映を中心に13万人を動員。その大きな反響を受けてテレビ放映され約200万人が視聴した。

タイトルは自然エネルギーの普及が農業、産業、情報という人類がこれまで経験した3つの革命に並ぶ巨大な社会変革であるとのフェヒナー氏の考えを反映した。(聞き手 オルタナ編集部=石井孝明)

――この映画を通じて日本の観客に訴えたいことは何か。

3つある。技術革新によって今後30年で自然エネルギーによって脱原発、脱化石燃料の社会を作り出すことは可能であるということ。その普及は社会に良い変化をもたらすこと。またエネルギーを自由に使える社会をつくるのは社会正義の上で必要であるということだ。

映画ではアフリカのマリ、またムハマド・ユヌスが率いるバングラデシュのグラミン銀行の太陽光パネルの設置による電化の取り組みなどを紹介した。今の世界では途上国の20億人が、電気の常に供給されない場所で生活している。これらの人々が電気の恩恵を受けるには、自然エネルギーの利用で電化を進めることがコスト面で考えると合理的だ。

――映画で印象的だったのは太陽光、風力など自然エネルギー発電が人々の身近で、見える形で行われていることだった。隠された巨大プラントで発電される原子力と対照的だ。

「見える」「分散」という特長は民主主義の維持のために重要なことだ。原子力、火力発電などの巨大な発電所は、消費者からの距離が遠く、隠される危険もある。分散型の電源では、多くの人が見て安全を確認できるし、その状況をみて人々がエネルギー源を選択し、場合によっては自分で発電もできる。民主的な意思決定を行える。

――自然エネルギーをどのように評価をしているのか。

大きな可能性がある。私はロマンチックなグリーンドリームを語っているわけではない。ドイツの経験から次の2つの事実を強調したい。

ドイツ国内では自然エネルギー関連産業は50万人の雇用を生み出している。つまりビジネス上の大きなメリットがある。また国民の決断と支援があれば、自然エネルギーは普及する。ドイツでは10年以上の議論と政策による促進策、例えば固定価格買い取り制度(FIT)によって、自然エネルギーを国民全体が支えている。

――日本では脱原発の方向で世論はまとまりつつあるが、その道筋にさまざまな意見が出ている。

判断する際に2つの点を考えてほしい。まず私が映画で示したように、自然エネルギーの普及は、社会に大きなメリットをもたらす。次に正しい決断には、正しい情報を共有することが必要だ。アラブの民主化運動を見れば、ソーシャルメディアの発展によって、人々の情報発信力はかつてないほど高まり、個人が社会を動かすことも可能になっている。

日本の未来は日本の皆さんが決めることだ。しかし福島の原発事故の後で、世界の人々が日本のエネルギー政策、そして日本の皆さんの行動を注目している。

第四の革命 日本語版サイト http://4revo.org/

2011年10月19日(水)9:00

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