障がいあっても楽しく映画を—体感音響システムで知覚を拡大

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パイオニアの「体感音響システム」。ザブトンクッション、ポーチから振動が身体に伝わる

障がいをもつ人も、健常者も共に映画を楽しむイベント「 feels〜カラダで感じる上映会〜」が、25、26日両日にわたって東京・中央区の「パイオニア プラザ銀座」で開催された。

聴覚障がい者には音の振動を身体に伝える「体感音響システム」、視覚障がい者には「音声ガイダンス」など、知覚をフル活用するためのさまざまな機材が用いられた。

主催は、ネクスタイド・エヴォリューションとパイオニア株式会社。ネクスタイド・エヴォリューションは、「違いは、個性。ハンディは、可能性。」をスローガンとするソーシャル・プロジェクト。

たんなる福祉に留まらずスポーツやエンターテイメント、プロダクトなどの楽しいコンテンツを多様な人に届ける活動を行っている。

いっぽうパイオニアは、1992年から「身体で聴こう音楽会」を定期的に開催している。聴覚を通した「音波」だけでなく、「骨伝導」がオーディオ機器には不可欠という考えから開発した同社の「体感音響システム」を用い、振動ザブトンクッションや球体状の振動ポーチによって聴覚障がい者も音楽を楽しめるというものだ。振動の強弱は、個別のコントローラーで調整可能だ。

その両者のコラボによる上映映画は「幸せの太鼓を響かせて 〜 INCLUSION〜」(©2011 able映画製作委員会)だった。

長崎を拠点に活動する知的障害者によるプロの太鼓グループ「瑞宝太鼓」のドキュメンタリーで、クライマックスに響く新曲「漸進打波」の迫力が、全身に響き渡る効果が得られた。

こうした機材はまだ一般的には普及しておらず、単発のイベントでは機材運搬などの時間・費用がかかるため、聴覚障がい者が映画を楽しめる機会がまだまだ少ないという。

ユニバーサルデザインが普及する中、通常の映画館やホールなどに標準仕様として「体感音響システム」が組み込まれれば、聴覚障がい者に限らず、幅広い音楽の楽しみ方が可能をなるだろう。

音響の体感希望者は、パイオニアのホームページから「身体で聴こう音楽会」に参加申し込みできる。(オルタナ編集部=有岡三恵)

パイオニア株式会社「身体で聴こう音楽会」

 

 

 

2011年11月28日(月)12:26

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