ゴミにならない生木のクリスマスツリー、イケアが今年も販売中

 

IKEA新三郷の店頭に並ぶ「モミの木のクリスマスツリー」

家具とインテリアの大型店「IKEA(イケア)」で、今年もクリスマスツリー用のモミの生木が11月16日から販売されている。

発売初日に行列ができる毎冬恒例の人気商品だ。モミの木は年明けに店頭で引き取り、肥料や燃料などに加工して再利用する。

環境意識の高いスウェーデン発祥の同店では、使用済みのラグを回収して布の材料にリサイクルするなど、資源の有効活用に取り組んでいる。生のモミの木も、購入客の協力を得て回収しリサイクルしてきた。

販売されるのは、クリスマスツリー用に育てた高さ約1メートルの若いモミの木。根を切ってあるため、翌年まで育て続けることはできない。別売りの専用スタンドに立て、スタンドの中に水を入れて生けた状態で、クリスマスシーズンまで青々とした姿を保つ。

クリスマスツリーとして使ったモミの木は、年明けの1月4日から15日までに、購入証明書と一緒に店頭に持ち込めば、購入時と同額の1990円分の金券と引き換えでイケアが引き取る。金券は、釣り銭は出ないが当日から買い物に使える。スタンドやオーナメントさえあれば、ツリーの本体は無料のようなものだ。

モミの木のクリスマスツリーを販売しているのは、日本にある店舗のうちIKEA福岡新宮を除く、IKEA船橋、IKEA港北、IKEA新三郷、IKEA神戸、IKEA鶴浜の5店舗。IKEA神戸では在庫が少なくなっている。最新の在庫情報は、随時、イケアのブログに掲載される。

毎年回収率92%以上を誇る港北店では、集めたモミを木片チップにして生ごみなどと混ぜて堆肥にする。堆肥は加工を実施するリサイクル業者の契約農家などで使われる。その他、バイオエタノールやウッドチップといった燃料や、パーティクルボードや紙の原料など、生まれ変わる形は店舗によってさまざまだ。

自動車で来店する客が多い同店だが、新聞紙などにくるんで電車や徒歩で持ち帰る人もいる。店頭ではモミの葉の香りをかいで「本物だ!」と驚く人もいた。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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