教育格差に挑むティーチフォージャパン、2012年度の派遣教師を追加募集

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情熱的な指導で子どもたちが変化していく

NPO法人Teach For Japan(ティーチフォージャパン、以下TFJ)が、2012年度から神奈川と東京で教師派遣事業を実施する。参加者募集は1月14日に締め切った。しかし、教科によっては追加募集を始める。

これまでの応募者は主に20代で、新卒者と社会人が約半数ずつ。追加募集が発生したのは、東京都内の公立中学校で2年間「数学」を教える枠。教員免許の保有か取得見込みが条件だ。

神奈川では現在、パイロットプログラムとして2011年度採用の2人を派遣している。それぞれ慶應義塾大学と一橋大学卒で社会人経験もある27歳。今は1年契約の教師として中学生と向き合っている。

TFJの目標は教育格差の解消。経済的困難を背景に低学力に悩む学級に、意欲的な若い教師を送り込んでいる。経済的に苦しく複雑な家庭事情を抱える子どもは全国的に増加中だ。小・中学校の給食費などを補助する就学援助制度の利用者は、2010年度に全体の15.3%を占める155万人に達した。

2009年度の文部科学白書は、親の収入が低い子どもほど進学より就職を選んでいることを示した。また、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2011年版」は、学歴が高い労働者ほど生涯賃金が高いことを示している。データを見る限り、貧困は連鎖している。

TFJは、現役の大学生が数日間「先生」を務める「寺子屋くらぶ」も実施している。参加した大学生によると、子どもたちの多くに学習習慣がなかった。また、面倒くさがる、すぐに「バカだから」と諦めるなど、学習態度も投げやりだった。

ところが学習支援プログラムの終盤には、その多くが本来の能力を発揮。2、3年分の学習の遅れを取り戻す子や、「勉強が好きになったかも」と打ち明ける子も現れた。大人が真剣に向き合うことで子どもたちは一気に可能性を開花させ、指導にあたった学生たちも成長したという。

TFJのモデルでもあるTeach For Americaは、20年間の活動で子どもと教えた若者の両方から優れた人材を輩出してきた。その成果が広まり、2010年には非営利団体ながら全米の文系大学生の就職先ランキング1位に輝いている。2013年度から教師派遣事業を全国展開するTFJにも期待したい。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

ティーチフォージャパン 教師派遣プログラム 募集要項

2012年1月16日(月)11:12

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