政府、60年稼動を容認する原発規制の新法を検討―批判は必至

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細野豪志環境相

政府は17日、原子力安全改革法案の骨子を公表した。ここでは原発の運転期間を原則40年とする一方で、要件を満たせば最長でさらに20年運転可能とした。これは福島第一原発事故前に原発行政を所管していた経済産業省の主張と変わらない。

また同発電所1号機(1967年着工)、同2号機(69年着工)の事故の一因が老朽化にあるとの指摘を無視するものだ。

新法は月内に閣議決定されて通常国会に提出される予定だが、その是非をめぐり批判を集めそうだ。

同法は経産省原子力保安院から、規制機関として環境省に「原子力安全庁」を設置するなどの政府の機構改革に伴って制定される予定。今月に入り細野豪志環境相が「40年で廃炉」方針を公表していたが、例外を認めることになった。

内閣官房によれば、関連法案では、原子炉等規制法に「40年」の運転期間制限を明記する一方、「環境相の認可を受けて20年を超えない期間、1回に限り延長を可能とする」との規定を追加する。

具体的な期間は20年を上限に政令で定める。現在は1970年代前半までに建てられた「第一世代」と呼ばれる原発の老朽化が進み、新規着工は福島の原発事故によって困難な状況だ。そのために既存の原発のなし崩し的な稼動の延長が危ぶまれる。

政府は原発の寿命延長に関しては政令で決める方針だ。しかし現時点で具体的な延長基準は示されていない。米国や一部のEU諸国では原発の60年稼動を認める制度があるものの、福島の事故を起こした日本では一段の厳格な基準が必要であるはずだ。この法案に対する内外の批判は必至だ。

また政府は環境省の外局として4月1日の発足を目指す原子力安全庁(仮称)内に、5人の委員からなる「原子力安全調査委員会」(仮称)を設け、原発事故の原因や被害の究明に欠かせない事情聴取や立ち入り検査などの法的権限を与える。また放射性物質を、新たに環境基本法などの規制対象に含めることも関連法案に盛り込む。
(石井孝明)

2012年1月18日(水)9:37

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