味噌や塩麹や甘酒――自宅で作る発酵食が人気

発酵食が腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える手助けをすることで、免疫力も高まる

「寒の内」とよばれるこの季節、味噌や麹漬け、甘酒など日本の伝統的な発酵食づくりを自宅や料理教室で楽しむ人が増えている。

発酵食は近年、健康食や自然食ブームからその良さが見直されている。特に震災後は、家族との食事を重視する人が増えており、こうした伝統食を家庭で手づくりしたいというニーズが高まっているようだ。

特に小寒(1月5日ごろ)から節分(2月3日)までのこの時季の水は雑菌の繁殖が少なく、「寒仕込み」と呼ばれる発酵食品の仕込みに適した季節。味噌づくり教室や、手づくりセットの通販が盛んだ。

中でも味噌は、戦後、今のように食品が大量生産、大量消費される時代まではどの家庭でも作られてきた日本の代表的な発酵食品。材料や手順がシンプルで、簡単に家庭で作れる。

豆や塩を合わせる量が家庭により異なり、それによってできる各家庭の味を自慢しあったのが、「手前味噌」の語源とされる。

各家庭で教えてくれる人がいなくなったこと、また完成まで数か月を費やすことから、初めての人は料理教室で習うと安心だ。初心者や親子で参加できる料理教室、また素材を厳選して用意してくれる料理教室もある。

最近、その手軽さと美味しさから話題となっているのが「塩麹」だ。麹に塩と水を加えて発酵させたもので、手軽に漬物を漬けたり、万能調味料としてレシピが広がると、専門のレシピ本や、料理教室が増えている。

塩と麹という伝統的な食材でありながら、自然な甘みと風味が多様なレシピに合う。和食だけでなく、洋風な料理や、お菓子作りにも活用される。

塩麹は発酵が終了すると、毎日かき回す必要も無く、手軽な漬物床となる

日本の伝統食材でキレイになる食を提唱しているモデルでビューティフード研究家の室谷真由美さんは、塩麹を使ったバレンタイン料理教室を行う。

「塩麹は麹の持つ発酵成分が甘みや旨味を引き出すので、お菓子にコクがでます。素材の特性を引き出す役割があるし、体にもいいので一石二鳥です」

日本人の知恵が活きるこうした食。家庭で手づくりしたい、食卓に活かしたいという思いは、日本人の本能なのかもしれない。(齋藤 志寿子)

各地、親子味噌作り教室

塩麹をつかった室谷まゆみさんのマクロビ・バレンタインお菓子教室

 

 

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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