「守れヨシの湿原、取り戻せ農村のヨシズ作り」――栃木農業高校が「低炭素杯2012」でグランプリ受賞

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日本全国から、低炭素社会づくり、地球温暖化防止に取り組む団体、企業が集合した

気候変動対策として二酸化炭素の削減に取り組む全国のNPO・学校・企業らを表彰する「低炭素杯2012」が19日、東京ビッグサイト(東京・江東)で開催された。決勝に残った41団体のうちグランプリに選ばれたのは、栃木農業高校地域おこしプロジェクト班だ。渡良瀬遊水地のヨシ原を守り、ヨシを次世代に継承する活動を行っている。

低炭素杯では、低炭素社会を構築するため、学校・有志・NPO・企業などの多様な主体が全国各地で展開している気候変動対策にかかわる地域活動を表彰する。一般社団法人地球温暖化防止全国ネット(東京・神田)が運営を行っている。

グランプリを受賞した栃木農業高校地域おこしプロジェクト班は、希少生物が生息する渡良瀬遊水地のヨシ原を守る活動を行ってきた。足尾銅山の下流に位置する渡良瀬遊水地は、本州最大のヨシの湿原だが、倒伏するなど荒れ果ててしまっているのが現状だ。

そこで、栃木農業高校では2011年度、ヨシズ作りの現場実習を繰り返し、節電対策として1世帯に1枚のヨシズを立てかける運動を始めた。さらに、倒伏した「くずヨシ」を米ぬかなどの自然の素材で熟成させ、たい肥として利用する方法を開発した。足尾銅山の植林活動、イチゴ農家の土壌改良などに役立てている。

造形家の斉藤公太郎氏が、石巻市立湊小学校の子どもたちと一緒に、がれきの廃材を使って制作した低炭素杯のトロフィー。同時に、子どもたち自身も卒業制作として、自分をほめ卒業を祝うトロフィーを制作した

東日本大震災地域貢献活動賞には、岩手県のいわてバイオディーゼルネットワークなど3団体が選ばれた。いわてバイオディーゼルネットワークは、震災時の燃料調達が厳しい状況のなかで、廃食油を利用したBDFを精製し、いわて生協のトラックを使い、沿岸被災地で緊急支援を行った。

14日からBDFトラック10台で、釜石市、陸前高田市、大船渡市方面に水やボランティアが作ったおにぎりの輸送、炊き出し部隊の派遣を連日行った。ガソリン、軽油が全く入手できなかった状況で、BDFはまさに命をつないだ燃料だったという。

低炭素杯の小宮山宏委員長は、「これからのエネルギー政策をどうするのか。経済はどうなるのか。日本は世界の注目を集めている。低炭素社会実現に向けての活動は、地域や歴史によっても変わってくる。だからこそ、草の根の活動が大事だ」と話す。

受賞者一覧は次のとおり(敬称略)。

環境大臣賞グランプリ:栃木農業高等学校 地域おこしプロジェクト班(栃木県)

環境大臣賞金賞(ソーシャルビジネス部門):有限会社仲田種苗園(福島県)

環境大臣賞金賞(学生活動部門):神奈川県立相原高等学校畜産部(神奈川県)

環境大臣賞金賞(企業活動部門):アイフルホームカンパニー(東京都)

環境大臣賞金賞(地域活動部門):NPO法人あきた菜の花ネットワーク(秋田県)

東日本大震災被災地域貢献活動賞:いわてバイオディーゼルネットワーク(岩手県)、NPO法人日本の森バイオマスネットワーク(宮城県)、NPO法人そらべあ基金(東京都)

節電対策貢献活動賞:ENEX株式会社(秋田県)

最優秀グローバル賞:那須温泉地球温暖化対策地域協議会(栃木県)

最優秀家庭エコ活動賞:マテックス株式会社(東京都)

最優秀地域活性化賞:香川大学直島地域活性化プロジェクト(香川県)

最優秀コミュニケーション賞:宗教法人長泉寺(宮城県)、株式会社大林組名古屋支店(愛知県)、株式会社ピコエイダ(東京都)

最優秀地域エコ活動賞:越谷市立大袋東小学校(埼玉県)、社会福祉法人喜育園立山東保育園(熊本県)

最優秀プレゼンテーション賞:中越パルプ工業株式会社川内工場(鹿児島県)

最優秀地域連携賞:特定非営利活動法人アサザ基金(茨城県)

最優秀イノベーション賞:おひさま進歩エネルギー株式会社(長野県)、社団法人東京都トラック協会(東京都)

ユニークプレゼンテーション賞:株式会社セタ(新潟県)

(オルタナ編集部=吉田広子)

 

2012年2月20日(月)12:52

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