「日本に寄り添ってほしい」、ドイツの州劇団俳優・原サチコさんが「広島サロン」で呼びかけ

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広島サロンで話す原サチコさん

北ドイツのハノーバー州立劇場専属俳優の日本人・原サチコさんが、広島や福島などの話題を毎月「広島サロン」で取り上げ、注目を集めている。このほど「日本にエネルギーを送ろう」をテーマに約50人が劇場を訪れ、日本を元気付けるメッセージを録画した。

原さんはベルリンやウィーンの劇場を経て、2010年秋からハノーバー州立劇場の専属となった。広島市とハノーバー市が姉妹都市であることを知らない人や、いまだに広島は焼け野原だと思っている人が多いことに気づき、広島や日本を知ってもらおうと、広島サロンを始めた。広島や原爆について話をするほか、広島名物のお好み焼きを作ったり、コスプレカラオケをしたりするなど、観客を巻き込んでの演出が話題を集めている。

サロン外でも、日本人俳優としてドイツとの橋渡しになりたいと尽力している。東京出身だが、広島で被曝者に会うなどして理解を深め、原爆投下を題材とした井上ひさしの「少年口伝隊 一九四五」をドイツ語に訳して上演した。

福島原発の事故があってからは「かわいそうな汚染されてしまった日本」ではなく、「広島や日本の素晴らしさを知ってもらい、いつか日本に行きたいと思ってもらえるように」と、自分の身の回りのことや日本の家族のことを交えて、日本の現状を知らせている。

参加者も一緒に、日本のためにアニメの歌を熱唱

劇場では、チェルノブイリ原発事故を経験したキエフ出身の音楽家が演奏したり、日本に留学経験のある学生が体験談を話したり、日本のアニメの歌をドイツ人の若者が歌う場面も見られた。昨年のライプツィヒのコスプレコンテストでは、参加者全員が日本の被災者のために鶴を折ったという。

参加者の一人が「日本のことを思っている。忘れていない。一人じゃないよ、と伝えたい」と語ったのが印象的だった。

原さんは「日本のために何かできることはないかずっと考えている」と話す。今秋からケルン州立劇場に移るため、広島サロンは6月5日が最後となるが、夏には東京で広島サロンを開催する計画で、ドイツ人のメッセージを伝えたいとしている。(ドイツ・ハノーバー=田口理穂)

 

 

2012年5月22日(火)13:07

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