5. CSRは「企業の意思決定や事業活動が社会および環境に及ぼす影響に対する責任」と定義された。今、CSRは世界が歩調を合わせながら新たな方向に動き出したのである。このグローバルな潮流を背景に、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、これまでの日本CSRのDNAから脱して、まったく新しい発想に基づくCSR経営に取り組む必然性が高まってきた。
6. 今後、グローバル化が進展するなかで、社会・環境価値と企業価値の両立は不可欠である。影響力を強めた企業は、その本業(プロセスとプロダクト)においてこそ、社会的課題を解決しなければならない。それが本業における「影響力の行使」であり、CSR経営の実践に他ならない。
7. 経営戦略において財務要素と非財務要素が統合されねばならない。なぜならば、様々な制約のある21世紀の経営環境において、統合報告は新しい社会・環境価値と企業価値を生むインフラに他ならないからである。この発想は、これまでの日本CSRのDNAから決して生まれない。