アシックス「温室効果ガス世界最少スニーカー」の開発秘話

オルタナは2023年12月12日、サステナブル・ビジネス・リーグ(SBL)会員向けに第50回「SBLプレミアムセミナー」を開きます。アシックスの吉川美奈子・サステナビリティ統括部長をゲストに招き、同社が今年9月に発売した世界で最も環境負荷の低いスニーカーの開発秘話を聞きます。スニーカーは構造が複雑で、複数のパーツから成り立ちます。環境負荷を低くするには、サプライヤーとの対話(サプライヤーエンゲージメント)が欠かせません。どのように対話を重ねて「世界最少」を実現したのでしょうか。

世界で環境表示に関する規制が強まるなか、同社はCFP算定で明らかにしたCO2排出量を根拠に、「世界最少」を打ち出しました。そのスニーカーの名称は、「GEL-LYTE III CM 1.95(ゲルライトスリーシーエム1.95)」。温室効果ガス排出量は、1.95kg CO₂e(地球温暖化係数(GWP)を用いてCO2相当量に換算した値)です。現時点で温室効果ガス排出量を公開した市販のスニーカーのなかでは、世界で最も低い値です。

「GEL-LYTE III CM 1.95(ゲルライトスリーシーエム1.95)」19,800円(税込)

特徴は、スニーカーのミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)と中敷を「カーボンネガティブ(排出量よりも吸収量が多い状態)にしたことです。原料にサトウキビを使っており、サトウキビの成長過程の吸収量が排出量を上回ったことで、カーボンネガティブを実現しました。

製造工程における再生可能エネルギーの利用、バイオ燃料を使った輸送や委託先工場でのリサイクル施策なども行いました。

同社にとって、これは環境性と品質の二兎を追求したプロジェクトでした。そのきっかけは2010年に遡ります。同社は米マサチューセッツ工科大学と、製品ライフサイクル単位での温室効果ガス排出量を測る共同研究を行いました。製品ライフサイクルの4つの主要段階である「材料調達と製造」「輸送」「使用」「廃棄」で削減策を特定し、改善を図ってきました。

削減策を特定しても、難しいのは、「サプライヤーエンゲージメント」です。スニーカーは構造が複雑で、複数のパーツから成り立ちます。排出量を減らすためには、サプライヤーや製造工場に協力してもらわなければ不可能です。

同社では、どのようにしてサプライヤーエンゲージメントを図ったのか。サステナビリティ統括部長と実際に開発に携わった担当者から話を聞きます。

とき:12月12日(火)12:10~13:00@zoom
12:10~12:15・・開始(事務局挨拶)
12:15~12:45・・吉川様、大崎様プレゼン
12:45~12:55・・オルタナ編集長・森や編集部から質問
12:55~13:00・・参加者からご質問/終了

参加費用:オンライン参加費: 無料(SBL有料会員)/1500円(SBL無料会員)
     *SBL有料会員(月額990円)へのお申込みはこちら

吉川美奈子氏
株式会社アシックス サステナビリティ統括部長
ドイツ銀行、P&Gを経て、2011年アシックスにCSR部長として入社。サステナビリティ戦略と体制のグローバル化を推進。グローバル広報室長、リスクマネジメント担当部長、CSRサステナビリティ部長を経て、現在に至る。

大﨑 隆氏
株式会社アシックス スポーツ工学研究所
フューチャークリエーション部グリーンマニュファクチャリング研究チーム
機器分析装置メーカーを経て2011年にアシックスに中途入社。スポーツ工学研究所フットウェア機能研究部フットウェア材料開発チームに所属し、材料開発、LCA関連の研究に従事。2023年1月に同研究所フューチャークリエーション部グリーンマニュファクチャリング研究チームに異動。GEL-LYTE III CM1.95の開発プロジェクトについては、ソール材料の開発とCO2排出量計算に関して担当。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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