■ 医療費の抑制も可能

一般的ながん検診では、胃や胸のX線検査(胃がん、肺がん)、便潜血検査(大腸がん)、マンモグラフィー(乳がん)、子宮細胞診検査(子宮頸がん)など、がんの種類によって検査方法が異なる。このため複数のがんを調べるのは大変な手間がかかるという煩わしさがある。
「アミノインデックス技術」を活用した検査は現在、人間ドックを中心とする「任意型がん検診」の検査ツールの一つとして応用されている。
味の素は「アミノインデックス技術」の活用を、まずは人間ドックや企業の健康診断などでもっと普及させたい考えだ。その間に検査の有効性をエビデンスとして蓄積し、将来は、一定の年齢以上の住民に対して市町村が公共政策として実施する「対策型がん検診」にも活用されることを目指す。
吉元部長は「対策型がん検診の受診率は20~30パーセントで他の先進国に比べて著しく低い。この低さの背景の一因となっているのが『面倒くささ』。将来、受診者の負担が少ない『アミノインデックス技術』で検診を実施することによって、死亡率減少効果が認められるようになれば、がん検診の受診率も上がり、医療費の抑制にもつながるのではないか」と力を込める。
■ 隠れ肥満も見分ける