しかし、例えば米国では、1989年にレブロンとエイボンが動物実験を廃止するなど、実は20年以上前から、米国や欧州ではこの問題が大きな社会問題になっていた。
化粧品やシャンプー開発の動物実験では、主にウサギが使われ、実験台に頭部を固定されたウサギの目に試薬がたらされる。実験が終わると、そのウサギたちは殺される。
これに強く抗議したのは、米国や欧州の女性たちだった。「自分たちの『美の追求』のために、動物たちが殺されるのは我慢できない」。そんな声が各国で上がった。
しかし、日本の厚生労働省も、化粧品メーカーも、この問題には鈍感だった。今回の資生堂の動物実験廃止は、欧州の規制がきっかけだったが、同様の法規制を日本国内でする動きは、まだない。