冬でも熱い! 北米で寒冷地仕様の自転車が人気

ミネアポリス周辺のスポーツサイクル専門店の多くは、冬の間、入口正面にファットバイクコーナーを設けて販売を促進する

ファットバイク市場はニッチな市場ながら、過去5年は倍々で販売数を延ばし、12年には世界で1万台を販売。それが13年には2万台になる見込みという。前出のデヴィッド氏も「近年、勢いのある自転車カテゴリーのひとつ」と話す。

今年2月、45NRTHやサーリーの本拠地に近いミネソタ州ミネアポリスのサイクルショップを5軒ほど訪ねてみた。どの店もまるでファットバイク祭りの様相で、1500~2400ドルの高額な機種が飛ぶように売れているという。これまで開店休業状態だった寒冷地の自転車ショップにとって、ちょっとしたバブルが訪れている。

ミネアポリスの市街地でも、数多くのサイクリストを見かけた。それは降雪こそ少ないが、マイナス10度を下回る日。中にはロードバイクにスパイクを履いてトレーニングをするグループまでいた。ミネアポリス市政府の調査では、約20%の人が冬場も自転車通勤をしているという。

雪が降ったら自転車は乗れないというのは、もはや昔話。冬でも自動車に頼らず楽しみながらクリーンに移動できる時代の到来だ。

yamamoto_shuji

山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

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