
市民と行政が協力して自然エネルギーを広める「ご当地電力」が各地で活発に動き始めている。7月末には、それぞれの経験を共有してつながりを深める場として、静岡で交流会が開催された。受け入れ先となったのは、東日本大震災後に全国で始まった自然エネルギー事業の中で、いち早く太陽光パネルなどの設備を設置した「しずおか未来エネルギー株式会社」だ。(ノンフィクションライター・高橋真樹)
視察をかねて訪れたのは、兵庫県の宝塚市新エネルギー推進課職員と、「NPO法人新エネルギーをすすめる宝塚の会」の有志メンバー合計7人。神奈川県小田原市で、しずおか未来エネルギーと同じ時期に設立した「ほうとくエネルギー株式会社」の志澤昌彦副社長も参加した。
一行はそれぞれの活動の進捗具合と困難な課題をどう乗り越えてきたかについて説明。その後、静岡市内に設置された設備を見学した。
市内に設置されたコミュニティソーラーと呼ばれる地域発電所は、2013年7月現在は3カ所(合計出力約150キロワット)。しずおか未来エネルギーの服部乃利子社長は、「動物園やサッカースタジアムの駐車場など、市民が接しやすい場所に設置するよう心がけた」と言う。

特にサッカーJリーグの清水エスパルスが本拠地とする、IAIスタジアム日本平の駐車場に設置されたパネルは、発電に加えて、それまで何もなかった駐車場に日よけや雨よけができたとサポーターからも好評だという。
設備の設置については、法律面などで壁にぶつかることも多く、そのたびに市の担当者に調整をしてもらった苦労話なども披露された。