東京電力柏崎刈羽原発の安全審査申請をめぐり、日本経済新聞と産経新聞が「新潟県が(原発事故時に放射性物質の拡散を減らす)フィルターベントの実施に事前了解を求めたのは疑問だ」などと報じたことについて、新潟県は30日、「一部報道機関で誤った解釈による報道があった」とするコメントを発表した。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■2紙に訂正求める
この中で県は「県と東電は『了解が得られない限りフィルターベント設備の運用開始はできない。実際に事故が発生した際の個別の対応に、県の了解を得るよう求めたものではない』という認識で一致している」と述べ、2紙に記事の訂正を求めている。
日経新聞は28日付社説で「(泉田裕彦新潟県知事が)東電に求めた申請の条件には、疑問が残る点がある。重大事故が起きたとき、フィルターベントの実施に、県の事前了解が必要としたことだ」と伝え、その上で「事故時の対応は一刻を争うだけに、それで迅速かつ適切な初動ができるのか」と主張。
そして産経新聞も30日、日経新聞に追随するように「この条件は問題だ。一刻を争う緊急時の安全対策で、運用に法的根拠のない地元独自の煩雑な手続きを課すことになるからである」とする記事を掲載した。
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