記事のポイント
- 欧州では、グリーンウォッシュを禁止するための法制化が進む
- 根拠のない環境訴求を行った事業者には重い罰が下される
- アントニオス龍谷大学法学部教授は「『逃げ得』は許されなくなる」と話す
グリーンウォッシュを禁止する「EUグリーンクレーム(環境主張)指令案」が2月、EU理事会で採択された。これを受け、環境NGO気候ネットワーク(京都市)は5月10日、オンラインで解説セミナーを開いた。カライスコス・アントニオス龍谷大学法学部教授は「根拠のない環境訴求を行った事業者には重い罰則があり、『逃げ得』は許されなくなるだろう」と話した。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「グリーンウォッシュ/グリーンウォッシング」とは、英語で「ごまかす」「欠点を隠して良く見せる」という意味の「ホワイトウォッシュ」と、「グリーン」(環境)を組み合わせた造語だ。
グリーンウォッシュの問題点は、消費者や投資家などが環境に配慮されていると思い込み、適切な選択肢を選べず、結果的に環境問題が深刻化してしまうことにある。
EUグリーンクレーム指令案は、「グリーン移行に向けた消費者のエンパワーメントに関する指令案」を補完するものとして、欧州委員会が2023年3月に発表した。これら指令案を実行するために、不公正取引方法指令(UCPD)や消費者権利指令(CRD)などを改正する。
施行後、加盟国で国内法化を経て、各国で適用される。2026年5月ころまでに適用が開始する見込みだ。
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■「ゼロエミッション」「責任ある」などは使えない
■第三者機関による検証が必須に