記事のポイント
- カクヤスが家庭や飲食店から出る廃食用油の回収しSAFに再資源化する
- 自治体なども回収を進めるが、回収場所に持ち込む必要があった
- 物流網を生かし家庭や飲食店の玄関先で回収することで再資源化を促進する
カクヤスは6月下旬から、家庭や飲食店から出る廃食用油の回収サービスを始める。回収した廃食用油はSAF(持続可能な航空燃料)に再資源化する。自治体なども回収を進めているが、回収場所に持ち込む必要があることが多い。同社は自社の物流網を生かして、家庭や飲食店に出向いての回収を可能とする。廃食用油の再資源化の促進に寄与していく。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

航空業界では脱炭素に向けてSAFの活用が喫緊の課題となっている。EUは域内で供給する航空燃料についてSAFの最低割合を定め、25年には2%、30年には6%と段階的に上げる。最終的に50年にはSAF割合を70%に高める必要がある。日本でもGXで国内航空路線で30年までに10%をSAFに置き換えることを目標にする。
これに伴ってSAFの需要量も増える。22年時点で世界のSAFの供給量は、ジェット燃料供給の0.1%程度の約113万リットル(約30万ガロン)だが、50年の推計需要量は4490億リットル(4.5億ガロン)まで高まる。原料のひとつである廃食用油などの効率的な回収が求められる。
カクヤスは今回のプロジェクトで首都圏に224拠点(3月時点)持つ物流網を生かす。同社では、商品の配送だけでなく、空容器などの回収も行っている。廃食用油の回収もこの物流網を生かして、家庭や飲食店の玄関先で回収できるようにする。これによって、回収の促進を進めたい考えだ。
回収した廃食用油は物流センターなどに集約され、提携する廃油再生のレボインターナショナルが引き取る。集約するときも、商品などと共同で配送するため、新たなCO₂発生を防ぐという。
回収は6月下旬から開始する予定だ。エリアは東京23区全域、23区外・神奈川・埼玉・千葉の一部が対象となる。回収方法は、注文した商品が配送されたときに一斗缶またはペットボトル容器に入った廃食用油を資源として買い取るか、店頭での購入時に持ち込むことで資源として買い取る。いずれも購入代金から差し引く。