「悪い」を減らす、から「良い」を増やすへ――「ゆりかごからゆりかごまで」(CtoC)

 

認証は5つのカテゴリーを査定する。1)原料の健全さ(人体・環境への影響をサプライ・チェーンを通して評価) 2)原料の再利用可能度(生分解性であるか、「栄養分」として他製品の原料になるかどうか)3)再生エネルギーと低炭素性(カーボン・ニュートラルであるか、再生エネルギー100%であるか)4)水資源のスチュワードシップ(製造プロセスからの排水を、飲料水のクオリティに浄化できているかどうか)5)社会的公正性と生物多様性(オペレーションが人と自然システムを祝福し、人と地球に対してプラスの影響を与えているかどうか) 達成度により、ベーシック、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4種類の認証を発行。
認証は5つのカテゴリーを査定する。1)原料の健全さ(人体・環境への影響をサプライ・チェーンを通して評価) 2)原料の再利用可能度(生分解性であるか、「栄養分」として他製品の原料になるかどうか)3)再生エネルギーと低炭素性(カーボン・ニュートラルであるか、再生エネルギー100%であるか)4)水資源のスチュワードシップ(製造プロセスからの排水を、飲料水のクオリティに浄化できているかどうか)5)社会的公正性と生物多様性(オペレーションが人と自然システムを祝福し、人と地球に対してプラスの影響を与えているかどうか)
達成度により、ベーシック、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4種類の認証を発行。

■ サプライヤーをどう変えるのか

――現在C2Cの認証を受けている製品は、建築材などB2Bの製品が多いですね。

現在、351の製品が認証を受けています。

B2B企業、特に建築業界は、サステナビリティや環境問題をよく勉強していて詳しい、というのもありますし、米国のグリーン・ビルディング基準であるLEEDが、C2C認証製品の使用によるポイント加点を認めている、ということも大きいです。LEEDが他の地域でも使われるようになってきているので、C2C認証を受けるインセンティブは世界に広がっていくと思います。

それから、米国、カナダをはじめとする政府のグリーン購入などでも、C2C製品は高く評価されています。やはり、既存のインセンティブプログラムがあると浸透しやすいですね。

――企業経営にはそれぞれのやり方があると思いますが、C2Cを実施するにあたっては、それを根底から変えなければならない可能性がありますよね。

完成した組織に惰性はつきもので、ある一定のやり方で長く続けてきたことを変えるというのは、生半可なことではないです。組織を超えたプロジェクトチームづくりが必要だし、CEOといったトップの後ろ盾も重要です。ちなみに、経営陣を動かすときに、我々のトップであるビル・マクドノーのプレゼンテーション能力や人脈が大きな力を発揮します。

また、C2C実施のための理想のプロジェクトチームは、製品のデザイナー、エンジニアなどを含む組織縦断的なメンバー構成。そして最も重要なのがサプライチェーン、調達担当者です。

我々も、サプライチェーン、調達・購買担当者だけでなく、直接のサプライヤー、孫請サプライヤーなどに対し、プロジェクトの目的を説明するために多くの時間を割きました。C2Cは今までと全く違うやり方なので、彼らが目的を理解しなければプロジェクトが成り立たないのです。

――C2C実施の過程で、サプライヤーを変えるなどということもあるのでしょうか。
もしサプライヤーがプロジェクトへの参加を拒否したり、調合や原料についての機密情報を共有するのをよしとしない場合は、他のサプライヤーに変更せざるを得ない場合もあります。
企業にとっても、長期的な契約でコストを抑えたりなど、サプライヤーとの関係にはいろいろな側面があるので難しい問題ですが。
――結果的に高くつくプロジェクトになり得るということでしょうか。

一つ一つの原料の購入の単位価格、というような見方をするとそうかもしれまんが、大局的に見れば、C2Cに即した新しい製品デザインのほうが、実はコスト削減につながる、というケースもかなりあります。

――そのコスト削減は、何らかの形で計測できるのでしょうか。

そういったノウハウは企業秘密だったりするので公表しにくいうえ、特に金額ベースでどれくらいのメリットがあったと算出するのは難しいのですが、例えば生産現場から有害物質を排除することで、職場の安全が保たれ、結果として生産性が上がった、といった事例の積み重ねになると思います。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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