[環境・CSR]国内初、再生羽毛を使用したダウンコートが発売

プレスリリース)
国内初!グリーンダウン(再生羽毛)を使用したダウンコートの発売決定

河田フェザー株式会社(三重県多気郡明和町/代表取締役:河田敏勝)は、一度使われた羽毛製品を回収し、中から取り出した羽毛に独自の洗浄回復処理を施して、再生羽毛「グリーンダウン」として再製品化する取り組みを3年ほど前からすすめています。2014年の秋には、株式会社三陽商会(東京都新宿区/代表取締役:杉浦昌彦)の「SANYO(サンヨー)」など4ブランドで、グリーンダウンを使用した婦人用コートが発売されます。衣料品に使用されるのは国内でこれが初めて。

近年、世界的に羽毛(羽毛ふとんやダウンジャケット用)の需給バランスが崩れて、価格が高止まりしている状況にあります。業界全体で羽毛の入手が困難になっていることで、品質のよくない羽毛や、とても羽毛とはよべない疑似羽毛・羽毛増量剤、さらには海外で回収された未洗浄のリサイクル羽毛が混ざった製品が目立ちはじめています。上質な羽毛を安定価格で提供し続けたいと考える河田フェザーは、元々100年以上も繰り返し使える丈夫な素材でありながら、これまで国内で使い捨てにされてきた羽毛を回収し、独自の精製加工技術によって再生させることで、一定の供給量を確保する取り組みをすすめています。これが、国内で羽毛を回収して再生させる仕組み「グリーンダウンサイクルシステム」です。この仕組みによって誕生したグリーンダウンを使って、三陽商会の「SANYO(サンヨー)」「EVEXbyKRIZIA(エヴェックスバイクリツィア)」「TOBECHIC(トゥービーシック)」「VINVERT(バンベール)」の4ブランドから、ミドル丈やロング丈のダウンコートなど合計9型を10月下旬より販売予定。価格はこれまでのダウンコートとほぼ同等となる見込み。

【グリーンダウンサイクルシステム】
グリーンダウンサイクルシステムは羽毛の安定供給を図るだけでなく、次の3点の社会的な効果が見込まれます。1点目は、環境保全。水鳥から採れる羽毛は約半分が炭素でできているので、燃やすと多くの二酸化炭素が発生します。(1kgの羽毛を燃やすと、約1.8kgの二酸化炭素が発生します。)そのため、燃やさずに羽毛のままの状態にしておくことで、二酸化炭素の排出抑制につながり、地球温暖化の防止に貢献します。また、ゴミを削減できると同時に、貴重な循環資源の再利用も図ることができます。2点目は、障がい者の就労支援。回収してきた羽毛製品の選別・解体業務を近隣の障がい者施設に委託しているため、障がい者の就労支援や社会参画の機会提供にも役立っています。3点目が、赤い羽根共同募金への寄付を通じた地域福祉活動に対する支援。全国から集められた羽毛製品の枚数に応じて、河田フェザーの関連会社(エコランド有限会社)が赤い羽根共同募金に寄付する仕組み(UMOUプロジェクト)にしているので、地域の福祉活動の支援にも貢献しています。

このグリーンダウンサイクルシステムを全国に普及させるため、現在河田フェザーは以下のような協力企業を募っています。①回収拠点と輸送ネットワークの拡充②周知活動の実施③ステークホルダーからの羽毛製品回収

【京鴨ブランド】
三陽商会は、河田フェザーと協力して昨年「京鴨」ブランドのダウンコートを発売しています。「京鴨」は、食用の鴨肉として流通しているものの、その希少性ゆえにそれまで羽毛製品として世に出ることはありませんでした。しかし、日本的なこだわりをもって清潔な飼育環境で育まれた京鴨の羽毛を使って何とかコートを作りたいという想いから、商品化に成功して発売に至りました。

【会社概要】
商号:河田フェザー株式会社
代表者:代表取締役
河田敏勝
住所:三重県多気郡明和町山大淀3255番地
設立:1963年7月
(創業:1891年)
主な事業内容:羽毛の精製加工、羽毛製品の製造販売
資本金:4,320万円
URL:http://kwd.jp
(関連会社エコランド有限会社 http://ecoland.co.jp

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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