記事のポイント
- EUは、EU森林破壊防止規則(EUDR)の施行を1年延期した
- パーム油、木材などの商品が森林を破壊していないことの保証を企業に求める
- 適用対象の大企業には2025年12月、中小企業は2026年6月からの遵守を求める
欧州連合は、森林破壊防止規則(EUDR)の施行の1年延期を発表した。この規則は、EU市場に流入するパーム油、大豆、木材などの主要商品が、森林破壊がないことを企業に証明するよう求めるものだ。今回の延期によって、適用対象となる大企業は2025年12月、中小企業は2026年6月から遵守が求められる。(オルタナ副編集長=北村佳代子)
EUDRは、牛、カカオ、コーヒー、パーム油、ゴム、大豆、木材およびこれらの関連製品をEU市場に流通もしくはEUから輸出する事業者に対し、対象となる生産品に森林伐採がないことを企業に証明するよう求めるものだ。
その目的は、世界的な森林破壊・森林劣化に対してEUが与える影響を軽減することだ。EUDRに遵守しない企業は、EU市場で販売することができなくなる。
EUDRは2023年6月に発効し、当初、2024年12月30日から適用開始を予定していた。
しかし、企業や農業関連のロビー団体だけでなく、パーム油の生産国であるインドネシアやマレーシア、さらにはコーヒー生産国であるブラジルなど、EUの主要貿易相手国が数ヶ月にわたって延期を要請していた。
国際環境NGOのグリーンピースは、EUDRを欧州グリーンディール政策におけるもっとも重要な成果の一つと評価していた。それだけに、今回の延期は、環境保護団体を落胆させた。
■日本企業の留意点は