政府が小さくなればなるほど、企業やNGO/NPOなど民間の役割を増やさなければなりません。ここに現代CSRの出発点があったのです。

ハイエクの後に「新自由主義」の総本山になったのが、いわゆる「シカゴ学派」。これを代表したのがミルトン・フリードマンです。シカゴ学派の新自由主義は、米レーガン政権のレーガノミクスや、中曽根内閣の行革路線を始めとする歴代自民党政権(特に小泉政権、そして現在の安倍政権も)に受け継がれました。

新自由主義は所得の傾斜配分、つまり富裕層から多くの税金を取り、貧困層に再分配することが前提でした。しかし、残念ながら新自由主義や、その結果としてのグローバリゼーションは、むしろ所得格差を広げてしまったのです。

 米国で上位1%の家庭が占める所得の割合は、1940年代初頭までは15-25%に達していました。しかし第二次世界大戦中に15%を切り、50年代~70年代には10%前後にまで下がりました。このころが、米国で所得の再配分が最もうまく行っていた時代でした。

ところがレーガノミクス以降の80年代にこのシェアが再び上昇し始め、再び20%を超える状況が続いています(米IRS=内国歳入庁資料)。

つまり、「新自由主義」がグローバリゼーションを促進し、その結果として、発展途上国だけでなく、先進国(もちろん日本も)の所得格差さえも広げてしまったのです。

所得格差の拡大は、さまざまな社会的課題の起因となりました。そして、これを解決しようと、世界中で企業やNGO/NPOが取り組んでいるというのが現在の構図です。

グローバリゼーションも、所得格差の拡大も、さまざまな社会的課題も、それらを解決しようというソーシャル・ビジネスも、実は共通してハイエクとフリードマンという二人のノーベル経済学者に端を発していたのです。

 所得格差の拡大は、20世紀型資本主義にとって最大の問題点であり、限界です。私たちは、叡智を結集して、ハイエクやフリードマンが残した限界を超え、21世紀型の、より理想的な資本主義を実現することが責務だと考えています。

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