■ 若者6割、「共成長マーケティング」に手応え

アクアソーシャルフェスは、トヨタが打ち出した「共成長マーケティング」の初の事例。全国47都道府県で、「水」をテーマに参加型アクションプログラムを展開している。

地域、企業、個人の三者が協働することで、企業にとっては「商品のブランド思想を理解してもらい、選んでもらえるようになること」、社会にとっては「より良い自然や環境がもたらされること」、個人にとっては「活動に参加して楽しめる、達成感がある」といったことを同時に達成する。いわば「三方よし」の実現が目標だ。

「環境保全を接点に、地域の人々と力を合わせることができたのは大きな成果」。トヨタマーケティングジャパンの折戸弘一グループマネージャーは3年間を振り返る。

ヨシ刈りを終え、記念撮影する参加者ら

ヨシ刈りを終え、記念撮影する参加者ら

折戸氏が共成長マーケティングを手掛けた動機は「3・11以後、地域のために何かしたいという気運が社会的に高まった。これを企業プロモーションの中で活かし、環境にいい車を目指す「アクア」として地域環境に良いことができないだろうか。これまでにない新たな取り組みを実現させたい」というものだった。

「地域の課題解決に企業としてかかわることがアクア、ひいてはトヨタというブランドの浸透につながる」と折戸氏。地方の生活の足にクルマは欠かせない。「プログラムにかかわった人で『次はトヨタに』と言ってくれる人もいた。『顔の見える関係』が生まれた」(折戸氏)という。

とりわけ顕著だったのが、プログラム参加者の6割を若者が占めたことだ。「もともと若者をターゲットにしていたものの、若者の参加が多数を占めるプロモーションは多くない。2012年の開始当初はせいぜい半分くらいと思っていたが、取り組みの中で学生が大学ぐるみで参加してくれたりした」(折戸氏)。

ハイブリッド車・プリウスを購入する年齢層は高めだが、アクアは若者を含め、幅広い層の顧客を獲得。月販台数が常に1万台以上をキープする人気車だ。

折戸氏は「アクアは末永く売っていきたい。『共成長マーケティング』はすぐその場で買ってもらうという短期的なものではなく、中長期的な時間軸で取り組む一見『遠回り』のアプローチだが、若い人にもブランドとして浸透できたのでは」と期待する。

企業として地域と関係を深め、クルマ離れが進む若者からもブランドへの共感を獲得することが出来たアクアソーシャルフェス。かつて河川の流域や海辺で栄えた文化の復興に、自動車メーカーがどのような役割を果たせるかが注目される。来年以降について折戸氏は「3年間の成果に立ち、新たな課題で取り組みたい」と話している。

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