ファンドレイザーの採用と職務記述書作成に向けた5つのヒント[長浜 洋二]

長浜洋二
ファンドレイザーを採用するには、職務記述書の作成し、公開しなければなりません。これは、団体のミッションや活動内容にはじまり、明確な職務規定や役割、期待値、報酬・待遇などを記載したものを用意すべきです。特に、売り手市場の場合は、売り手(求職者)が力を持つため、団体そのものの魅力に加え、ファンドレイザーという職務とそれに付随する情報を明確かつ簡潔に提示し、有能な候補者を面接まで引き上げられるような職務記述書を作成する必要があるでしょう。(NPOマーケティング研究所代表=長浜洋二)

効果的な職務記述書を作成する際に注意すべき、5つのヒントがあります。

(1)職務内容を明確に伝える
団体のミッション、採用の理由、業務における責任事項などを明確にする。例えば、出張が発生する場合には、その頻度も事前に伝えるべきです。また、当該ポジションが組織のどこに位置付けられるかが分かるように、組織体制とレポートラインも明確にする必要があります。

(2)職務内容をくどくど書かない
職務規定の記載は長いほど良いわけではなく、簡潔で的を射たものでなければなりません。特に、マネジャークラスのファンドレイザーを採用する場合は、団体が今後どこへ向かっていくべきかということを伝えたうえで、団体内で「チェンジ・エージェント」としての活躍を期待するため、こと細かな職務内容のリストを記述しないほうが良い場合もあります。

(3)職務内容と団体の成長戦略に結びつける
職務記述書は、団体の成長戦略と関連づけながら作成します。例えば、設立間もない団体の場合は、潜在的な寄付者を見極め、新しいシステムを構築するなど、ファンドレイジングにおける組織基盤を構築できる人を採用するべきです。一方、歴史のある団体であれば、大口寄付を獲得できるような人材を求めるなど、団体の状況によって異なってくるはずです。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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