■「経済界にも危機感」
「経済界も変わってきている。基地に依存していてはいけない、県民を向いて仕事をしなければいけない、という危機感の表れではないか」。当日、ゲート前での抗議行動に参加した、南風原町に住む大学講師の秋山道宏さんは話す。
沖縄では2005年、県の発注工事をめぐる談合事件が発覚し、県内建設大手らが摘発を受けた。当時、県建設業協会の会長を務めていたのが胡屋氏だった。秋山さんはこの事件を、胡屋氏が公共事業や基地関連工事への依存を見直す転換点の一つだったとみる。
もっとも、沖縄の基地経済への依存度は現在、5%にも満たない。経済だけ考えれば、沖縄の経済界があえて今まで通り、基地問題と距離をおくという選択肢もあり得るのでは――。金秀の従業員にそう問いかけると、次のような答えが返ってきた。
「基地がなければないに越したことはない。基地に目をつぶることが出来るというなら、本土こそ引き受けるべきではないか。基地があることで、県民の間にあつれきが生じている。県民が声を上げなければ、基地はいつまで経っても沖縄にあり続ける」
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