記事のポイント
- 世界気象機関は地球気候に関する年次報告書を公表した
- 24年の世界平均気温は過去最高に達し、気候災害で避難民数十万人が発生
- 「前例のない」異常気象の一例として日本の能登豪雨も挙げた
世界気象機関(WMO)は3月19日、地球気候に関する年次報告書を公表した。2024年の世界平均気温は過去最高に達し、気候災害で避難民数十万人が発生したという。「前例のない」異常気象の一例として日本の能登豪雨も挙げた。(オルタナ副編集長=吉田 広子)
WMOによると、2024年の世界平均気温は過去最高になった。1850~1900年の平均気温より1.55±0.13℃高くなり、産業革命以前の気温より1.5℃以上暖かくなった最初の年となる可能性が高いという。
WMOは、2024年の気候災害の影響で数十万人が避難を余儀なくされたとし、世界全体で早期警報システムが必要だと強調した。さらに、干ばつや洪水の影響などで、農作物の収穫量が減少し、2023年のピーク時よりも少なくとも100万人多い人たちが深刻な食糧不安に直面しているとした。
このほか、WMOは記録上最も暖かい2024年は「前例のない」異常気象が多数発生したと報告した。報告書では、151件の事例を紹介している。
WMOが挙げた最も重大な異常気象の1つは、サウジアラビアの6月の熱波だ。ハッジの巡礼期間中、メッカ付近の気温は50度に達し、多くの死者が出た。2024年9月に発生した能登豪雨も、極端な異常気象の事例として紹介された。