国内で生物多様性の保全につながる活動を行う団体や個人を表彰する「生物多様性アクション大賞2015」(国連生物多様性の10年日本委員会主催)の応募受付が5日から始まった。8月末まで募集を受け付ける。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
募集するのは自給自足や地産地消など、生き物の恵みに支えられた地域の食文化を発掘する「たべよう」部門、自然体験活動などの「ふれよう」部門など合計5部門。各部門で1件ずつ選ばれた優秀賞の中から大賞が決定され、活動資金35万円などが授与される。
同大賞は今回で3年目を迎え、昨年は124件の応募があった。申込みは公式サイトの専用フォームからのみ受け付ける。
■受賞で普及に弾み「生きもの元気米」
昨年の大賞では、生物多様性に配慮した商品やサービスに与えられる「えらぼう」部門の優秀賞に、NPO法人河北潟(かほくがた)湖沼研究所(石川・津幡町)が販売する「生きもの元気米」が選ばれた。
生きもの元気米は、地域で生産されるコメの内、「あぜで除草剤を使わない」「ネオニコチノイド系農薬等の空中散布をしない」「栽培期間中に水田内の生きもの調査をする」の3条件を満たしたもののみが認証を受けることができる。生きもの調査の結果を水田1枚ごとに公開していることなども特徴だ。
NPO担当者は「受賞を通じて、生きもの元気米を多くの人に知ってもらえただけでなく、米に対する消費者の信頼も強まった。選ばれる際の判断基準にもなっていると思う」と話す。
昨年は契約農家から1.5トンの玄米を仕入れたが、今年3月までに完売。新たに契約農家も増え、今年は同4.5トンを仕入れる予定だ。受賞による効果か、農家との契約交渉もスムーズだったという。消費者による早期予約高はすでに1.4トンに達しており、受賞が普及の弾みになっている形だ。