児童労働防止、国際標準化進む

2025年は、国連SDGsが定める「世界の児童労働者数をゼロにする」目標年だ。しかし世界の子どもの10人に1人に当たる1億6千万人が児童労働という実態だ(20年)。

児童労働の課題が深刻なカカオ業界では、国際カカオイニシアチブ(ICI)の主導する「児童労働監視改善システム(CLMRS)」の生産地での導入が近年重視されてきた。 

CLMRSは児童労働を特定、監視、是正、防止する一連のプロセスを指す。フェアトレードとしても、23年のカカオ認証基準改訂の中で、児童労働の監視是正システムの導入を義務付けた。

これまでも基準に児童労働の防止措置が含まれていたが、ICI側と議論した上で同フレームに適応するよう基準を改訂した。EUの環境規制CSDDDなども含め、各国・各業界のルールや動向に、国際認証が基準を改訂してアラインし、業界全体の課題解決を進めやすくする。

人権分野の標準規格化としては、人身売買・強制労働・現代奴隷に関するリスクマネジメントのガイダンス国際規格ISO37200が26年の発行を目指し検討中である点も注目だ。

shiozaki

潮崎 真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)

デロイト、オウルズコンサルティングにて企業・政府・NPOに対する事業戦略やサステナビリティ分野のコンサルティングや人権デュー・ディリジェンス事業に従事し、2021年より現職。「児童労働白書2020」執筆

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