スマホケース販売大手、プラ廃棄物の100%リサイクルに動く

記事のポイント


  1. スマホケース販売の国内大手企業が、プラ廃棄物の100%リサイクルに動く
  2. プラ廃棄物を100%使って、トレイやマグネット、リングなどに再生する
  3. 生産過程で出たプラ廃棄物を社内で再活用する「社産社消」を呼びかける

スマホケース販売の国内大手Hamee(ハミー、神奈川県小田原市)が、プラスチック廃棄物の100%リサイクルに動く。企業の生産過程で出たプラ廃棄物を回収し、トレイやマグネット、リングなど新たな製品に生まれ変わらせる。プラ廃棄物を社内で再活用する「社産社消」を呼びかけ、他社にもリサイクルサービスを提供する。(オルタナ編集部=松田 大輔)

プラスチックごみを再生したストーン。独特な模様が特徴だ
プラ廃棄物を再生したストーン。独特な模様が特徴だ

スマートフォンケースの企画や製造、販売を手掛けるHameeは23年5月、リサイクルサービス「ParallelPlastics」(パラレル・プラスチック)を立ち上げた。型落ちして倉庫に眠る商品など、他社で不要となったプラスチックを回収し、その企業内で再利用できる製品に再生するサービスだ。

Hameeはこのサービスを通じて、企業が生産過程で出すプラ廃棄物を社内で再活用する「社産社消」の実現を目指す。

■スマホケースの大量廃棄がきっかけに

「きっかけは、スマホケースの大量廃棄だった」。ParallelPlasticsの事業責任者である宮口拓也氏はこう話す。

Hameeは、スマホケース販売の国内大手だ。ここ数年、順調に業績を拡大し、2025年4月期の売上高は197億円を見込む。その一方で、新型スマートフォンが発売されるたびに、型が合わずに売れなくなるケースの在庫処分が課題だった。

同社は、リサイクルに向けて、各地の産業廃棄物処理場からプラ廃棄物を集めることから始めた。

「産廃処理場に行くと、まだまだ使えるプラがたくさんある。なぜ有効活用されないのかと聞くと、使い道がなく燃やしてしまう現状がわかった。日本の廃棄プラ量は世界2位。ある意味、資源大国だ」(宮口氏)

集めたプラは同社の国内工場で砕き、溶かし、鋳型に流し込む。本来なら廃棄物として燃やされていたプラスチック製品を、トレイやマグネット、リングなどに再生することができる。石油由来のバージンプラスチックを新たに使わずに、廃棄プラだけでのリサイクルを実現する。

宮口氏は、「企業には使われていないプラスチックが眠っている。スマホケースや哺乳瓶、目薬・化粧品のボトル、家電など、廃棄されるはずだったプラスチックを活用し、新たに活用する道を作りたい」と意気込みを語った。

matsuda daisuke

松田 大輔(オルタナ編集部)

中央大学総合政策学部卒業。2021年から米国サンフランシスコで研究資料の営業マネジャーとして勤務。2024年に株式会社オルタナ入社。

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