八王子に眠る自然エネルギーとは? 「ご当地電力」がシンポジウム

■里山はバイオマス資源? 市民が注目

服部氏は「現在の買取価格では全然採算が取れない。ウナギの養殖地で用いる温水の供給に必要な燃料を、重油からバイオマスに切り替えるなどの方法を調べている」と説明。今後の展望について「FITだけで事業の採算を取るのは難しい。林業関係者とも提携して、小水力やバイオマスの利用へと転換する必要がある」との見方を示した。

中山間地を有する八王子市は木質バイオマス資源に恵まれる。シンポジウムでは多摩地域の里山に関する講演も行われた。団体の共同代表を務める田中拓哉氏は「里山は資源だということを広めたい。例えば、市内の小規模な製材所から出るおがくずは有効利用されていないので、ペレットストーブの燃料に加工することなどを考えている」と話した。

欧州ではバイオマスを利用した発電や熱供給が進むのと比べ、日本は技術やノウハウで立ち遅れるとされる。市民が身近にある里山をバイオマス資源として活用する取り組みは、まだ始まったばかりだ。

八王子共同エネルギー
しずおか未来エネルギー

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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