ちなみに、ひょうご消費者ネットのこれまでの申し入れ・差し止め請求の対象は、生命保険協会、日本郵政公社、日本貸金業協会、関西電力、新聞各社(神戸新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、日本経済新聞社など)、日本放送協会(NHK)など、大物ぞろいだ。
適格消費者団体は別格としても、いま少しずつ、NPOなど非営利団体の声が企業に届きつつある。CSRを掲げる企業も、ステークホルダー・ダイアログを必須のプロセスとして、より多くのステークホルダーとの会話の作業を続けている。
今後は、ただ「対話すること」でよしとするのではなく、対話の中身、とくにステークホルダーからの要請や批判を真摯に受け入れ、改善すべきところは改善することが求められる。
「社会の声を聞くこと」こそ本来の「広義のコンプライアンス」であり、その範囲は「狭義のコンプライアンス」(法令遵守)を大きく上回る。それが本来のCSR(社会対応力=レスポンス・アビリティ)だ。
こうしたプロセスに真摯に取り組む企業の社会的評価は高まり、中長期的な企業価値の向上も期待できるだろう。(オルタナ編集長 森 摂)