記事のポイント
- 寄付決済システムを提供するコングラントは寄付アプリ「GOJO」を開発した
- 同アプリを使えば、気になった団体に1タップ100円から寄付することができる
- 寄付体験を通して社員の社会貢献意識を高めることに一役買うサービスだ
NPOや企業向けに寄付の決済システムを提供するコングラントは、スマート寄付アプリ「GOJO」を開発した。同アプリには、数百の非営利団体の活動が紹介されており、気になった団体に1タップ100円から寄付することができる。法人として導入することで社員の「寄付履歴」を可視化でき、寄付体験を通して社員の社会貢献意識を高めることに一役買うサービスだ。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

「日本に寄付文化が根付かないのは、寄付を取り巻くシステムが整っていないことが原因だ」ーー。コングラントの佐藤正隆社長はこう言い切った。
同社は2020年に立ち上がった大阪市のスタートアップだ。NPOと企業向けに寄付の決済システムを提供してきた。佐藤社長は、自社のサービスを「寄付DXシステム」と呼ぶ。
同社の決済システムでは、寄付の募集・決済・CRM(顧客管理)など非営利組織が寄付を呼び掛ける際に必要なことをワンストップで行うことができる。サービスの提供を開始して5年だが、同システムを導入した団体数は3228に及び、システム内での累計寄付件数は33万件、累計の寄付額は100億円を超えた。
■気になった団体に1タップ100円から寄付へ
コングラントがこのほど開発したアプリ「GOJO」は、不便だった寄付の決済の簡素化を目指した。一般的に非営利組織に寄付をするには、その団体のサイトで都度クレジットカードや住所の登録などが必要だった。

GOJOでは、数百の活動が載っており、気になった団体に1タップ100円から寄付することができる。今後は、おすすめの寄付先を案内するオンラインサポートや税優遇の案内、確定申告の手続き支援なども行うという。
GOJOでは、寄付を促すため、寄付金額に応じてポイントが貯まる仕組みにした。現在ポイントは、コーヒーの購入や寄付に利用することができるが、今後はポイントで交換できるギフトの種類を増やしていく。物品寄付やボランティアの募集もできるようにする予定だ。
■「社員の寄付は企業価値を高める」
佐藤社長は、「社員の寄付は企業価値を高めることにもつながる」と強調した。人的資本の成⻑の一要素として、「従業員エンゲージメントの向上」があり、寄付などの社会貢献活動はエンゲージメントの向上につながるという考えだ。

GOJOを法人として導入することで社員の「寄付履歴」を可視化できる。寄付を通して、社員の社会貢献意識の傾向を読むことができ、寄付の効果などを非財務情報として外部に開示することもできる。
佐藤社長は、「寄付体験を向上して、日本に寄付文化を根付かせたい」と強調した。