記事のポイント
- タイガー魔法瓶は、累計約14.5万本の使用済みステンレス製ボトルを回収した
- 全国493カ所に設置された回収ボックスでの取り組みが拡大している
- 回収したボトルの本体からステンレス原料を再資源化する
タイガー魔法瓶は7月3日、2021年10月から開始したメーカーを問わない使用済みステンレス製ボトルの回収・再資源化プロジェクトで、累計約14.5万本の回収を達成したと発表した。直近の半年間では約5.5万本を回収し、全国493カ所に設置された回収ボックスでの取り組みが着実に拡大している。(山口勉)

同社は、7月7日の「クールアース・デー」に合わせて、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けた環境配慮の取り組みを改めて発信している。クールアース・デーは2008年の北海道洞爺湖サミットで当時の福田康夫総理が提唱したもので、地球環境について考える日として制定された。
同社のプロジェクトでは、メーカーを問わず家庭で不要になったステンレス製ボトルを回収し、専門業者で再資源化を行う。素材がステンレスであることが明確なボトルを一定量まとめて回収することで、従来の多種金属が混在した状態と比較して、リサイクル工程の負担を大幅に軽減できる。また、不純物の混入を抑制することで、純度の高いステンレス原料を確保することが可能になる。
回収したボトルは、本体からステンレス原料、栓からはポリプロピレン原料を再資源化する。再生されたステンレス材は様々なステンレス製品に生まれ変わり、ポリプロピレン原料は同社工場で使用する樹脂製ボックスなどに活用する。
類似の取り組みとして、サーモスでも「ステンレス製魔法びん回収サービス」を実施しており、水筒、タンブラー、スープジャーを回収している。また、ユニフォーム業界では「ReBaton(リバトン)ユニフォーム再資源化プロジェクト」として、企業の旧ユニフォームを新たな資源に転換する取り組みも進んでいる。
しかし、製品回収型のサーキュラーエコノミーには課題も多い。回収拠点の設置・維持コストに加え、消費者の認知度向上と行動変容の促進が必要だ。また、回収量の予測が困難で、効率的な物流システムの構築も求められる。さらに、再生材の品質や供給量の安定性、コスト競争力の確保など、事業として継続するためにはまだ道半ばだ。
それでも、環境意識の高まりとともに、こうした取り組みは着実に広がりを見せている。タイガー魔法瓶の菊池嘉聡社長は「みなさまのご協力が、SDGsアクションであるこのサーキュラーエコノミーの活動を拡大させる」とコメントし、消費者との協働による持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させる姿勢を示した。