記事のポイント
- 中国国務院は2027年から炭素市場に「排出総量規制」を導入すると発表した
- 企業の排出量に対して、絶対的な上限を設け、排出枠を取引する
- 国際的な動向に合わせ、「排出強度型」から「総量型」へと転換することを意味する
中国国務院は2027年から炭素市場に「排出総量規制(キャップ制)」を導入することを発表した。企業の排出量に対して、絶対的な上限を設け、その範囲内で排出枠を取引できる仕組みだ。ロイターなど主要メディアが一斉に報じ、世界的に注目を集めている。(オルタナ輪番編集長=吉田広子)
国務院の声明によると、全国炭素市場(中国ETS)は2013年以降に北京や上海などで始まった8つの地域パイロット市場を統合するもので、2021年に電力部門からスタートした。
これまでは排出強度ベンチマーク制を採用し、CEA(排出権の通貨)は「発電量あたりの排出量」の基準に基づいて段階的に削減されてきた。企業は一定のCEAを無償で受け取り、排出量が割当を超えれば市場で追加分を購入し、割当を下回れば余剰分を売却できる仕組みだ。
2027年から導入される「絶対排出上限」は、EU排出量取引制度(EU ETS)と同様に、排出総量に明確な上限を設ける方式だ。これは、中国ETSが「排出強度型」から「総量型」へと転換することを意味し、国際的な制度との整合性を高める狙いがあるとみられる。
ETSは2027年までに主要な排出産業を包括的にカバーする予定だが、声明では具体的な対象産業は明示されなかった。