記事のポイント
①「海のエコラベル」付きの水産物の販売が2024年は前年から8%増の2万トン超となった
②認証団体のMSCは普及に貢献したとしてイオンやニッスイなどを表彰した
③ニッスイによると「MSC認証の魚種数が大幅に増えた」という
持続可能な漁業を推進するMSCジャパンはMSC「海のエコラベル」付きの水産物の2024年の販売量が前年比8%増の2万トン超になったと報告した。このほど開催した「MSCジャパン・アワード2025」ではMSCラベル付き水産物の国内普及に貢献したとして、イオンやニッスイなどを表彰。ニッスイによると、「MSC認証の魚種数が大幅に増えた」という。(萩原 哲郎)

「MSCジャパン・アワード」はMSCラベル付きの水産物の普及に貢献した事業者を表彰するため、2024年に開設した。販売重量の実績にもとづく小売部門、メーカー部門、フードサービス部門のほかに、今年からMSCラベル付き水産物を消費者に周知する取り組みを表彰するコミュニケーション部門と特別賞を新たに創設した。
小売部門にはイオン、メーカー部門はニッスイ、フードサービス部門では日本マクドナルドが受賞。コミュニケーション部門には日本生活協同組合連合会・コープデリ生活協同組合連合会が表彰された。また特別賞には国内初の宿泊施設運営会社として、非認証水産物と混ざることなく適切に流通・加工を管理できるMSC CoC認証を取得したオリックス・ホテルマネジメントが受賞した。
受賞式では各受賞者が自社の取り組みをプレゼン。ニッスイの西昭彦氏は「ニッスイグループ取り扱い水産物の資源状態調査」にもとづく取り組みの結果、MSC認証の魚種数が大幅に増えたことなどを説明した。オリックス・ホテルマネジメントの千葉陽二郎氏は直営12カ所のホテル・旅館でMSCラベル付き水産物を取り扱っており、「業界全体のサステナビリティ推進にも貢献していきたい」とコメントした。
MSC「海のエコラベル」付きの製品は、世界約70カ国で2万品目以上が販売されており、日本でも700品目が販売されている。事業者のさらなる取り組みと消費者への一層の普及が期待される。