広島空港「グラハン女子」、社会に多様性と健康意識を届ける

記事のポイント


  1. 広島空港では、航空機の誘導など地上業務を女性社員だけで担う取り組みを実施している
  2. 10月19日にはピンクリボン運動とも連動し、乳がん検診の啓発を行った
  3. 従来男性中心だった地上支援業務で、多様性推進と健康意識の向上を目指す

広島空港では、特定の一往復便の地上支援業務を女性グランドハンドリングスタッフ(グラハン女子)のみで担う「レディースフライト」に取り組んでいる。乳がん検診の早期受診を推進するピンクリボン運動に賛同し、2025年10月19日にはヘルメットにピンク色のリボンシールを貼って啓発活動を行った。従来男性が中心だった現場で女性の専門性と能力を社会に伝えることで、多様性の推進と健康意識の向上を目指している。(社会課題ライター・川原莉奈)

広島空港で活躍する、地上支援業務を担う女性スタッフ「グラハン女子」

広島空港では、航空機の誘導・けん引や、貨物・手荷物の積み降ろしといった地上支援業務を担う女性スタッフ「グラハン女子」が活躍している。従来は男性中心だった現場で、高い技術と専門性を持つ女性たちが業界の常識を変えつつある。

JTBグループの中国ターミナルサービス(広島市)が中心となって展開するこの「レディースフライト」では、特定の一往復便を女性グランドハンドリングスタッフだけで担当する。 女性が力仕事や技術職にも挑戦できることを示すと同時に、航空業界全体の多様性推進につなげることが狙いだ。

■ピンクリボン運動に参加も

2025年10月19日には、乳がんの「早期発見・早期診断・早期治療」を啓発するピンクリボン運動にも参加した。作業用ヘルメットにピンク色のリボンシールを貼り、空港利用者や地域の人々に乳がんに対する意識向上と検診受診を促している。

参加した女性スタッフは、「重いコンテナの移動に不安を感じる場面もあり、男女が協力し合う混合チームの大切さを改めて実感した。一方で、友人から『かっこいい仕事だね』と言われ、取り組みを通じて自分の仕事に自信を持つことができた」と話す。

次世代の女性たちに新たな選択肢とロールモデルを示し、社会全体の意識を変えるきっかけとなり得るのではないか。

kawahara

川原莉奈 (社会課題ライター)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーで7年間勤務。その後、「全く異なる世界を見てみたい」との思いからフリーランスに転身。ファッション・ライフスタイル系のWebメディアでデスク、エディター、ライターを務める。2023年からは、並行してNPO法人にてWebデザインや広報を担当し、社会課題への関心を深める。ライターとしてのモットーは「複雑なテーマを整理し、シンプルに伝えること」。

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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