記事のポイント
- 政府は温室効果ガスの排出量取引をキャップ&トレード方式で26年度から行う
- 初年度は排出枠の割り当ては行わないので、実際の取引は27年度からになる
- 排出枠の割り当て時期など新制度について、「5つの要点」をまとめてみた
政府は温室効果ガスの排出量取引を「キャップ&トレード方式」で26年4月から行う。初年度は参加事業者に排出枠の割り当てを行わないので、市場での取引が始まるのは2027年度からだ。新制度について5つのポイントをまとめた。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)
排出量取引とは、政府が企業ごとにCO2排出量の枠を割り当て、その排出枠の過不足を企業間で取引する制度だ。排出削減に取り組み、排出枠が余れば、超過した企業に枠を売ることができる。
一方、排出枠を超過した企業は、枠を購入して、超過分を埋め合わせする必要がある。取引しても埋め合わせができなかった企業は、国に負担金を支払う仕組みだ。
企業間での排出量の取引は市場で行う。政府は排出枠を段階的に縮小していく計画なので、「市場メカニズム」によって、取引価格は年々上がっていく。その結果、企業の予見可能性が高まる。経済合理性を持って脱炭素への投資に踏み切ることを促す政策でもあるのだ。
■排出枠の割り当ては「2027年10月」ごろか
■初回は26年と27年の2年分の排出枠を割り当て
■市場取引だが、政府が上下限価格を毎年設定へ
■対象事業者は増えていくのか
■「スコープ2」も取引範囲に入るのか

