記事のポイント
- 輸入木質ペレットによる発電は化石燃料発電よりも多くのCO2を排出する
- 木質ペレット需要の増大は森林伐採の圧力となっている
- バイオマス発電の種類や利用法には十分な検討が必要となる
大規模な木質バイオマス発電所の建設が全国で相次ぐ。燃料となる木質ペレットの輸入量は年々増加し、国内生産量の約20倍に上った。しかし、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆき理事長は、輸入木質ペレットを使用した場合のCO2排出量の多さを問題視する。(バイオマス産業社会ネットワーク理事長・泊みゆき)
これは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)で、消費者が負担する賦課金によって、支えられている。
木を燃やすと、熱量当たり石炭火力以上のCO2が排出される。バイオマスは「カーボンニュートラル」と言われるが、森林を伐採して燃焼した場合、森林が再生しなければ、大気中のCO2濃度は石炭火力以上に高くなる。