記事のポイント
- 「SHEIN」がパリ中心部の老舗百貨店BHVに新たに出店した
- これを受け、アニエスベーがBHVから撤退すると発表した
- シーインは児童ポルノを想起させる人形を販売し批判を浴びている
中国発の超ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」がパリ中心部の老舗百貨店BHV(ベー・アッシュ・ヴェー)に新たに出店した。これを受け、アニエスベーが11月5日(現地時間)、BHVから撤退すると発表した。シーインは児童ポルノを想起させる人形を販売していたとして国際的な批判を浴びている。(オルタナ輪番編集長=吉田広子)
SHEINは、児童ポルノを想起させる人形を世界中のプラットフォームで販売し、物議を醸した。同社は11月3日、問題となった製品を出品していた販売者アカウントを凍結したと発表したが、批判の声は収まらない。
10月にBHVでの常設店舗開店が発表されると、パリやSNSでは抗議活動が続いていた。
仏メディアによると、ファッションデザイナーのアニエス・ベー氏は11月5日、フランス公共放送の取材に対し、「私たちのブランドの倫理に反する」として、「抗議の意思を示すために店舗を閉鎖することを決めた」と語った。契約期間は2026年1月末まで残っているものの、数週間以内に完全に閉鎖する予定だという。
ベー氏は「シーインのようなファストファッションは最悪だ」と話し、「高品質で長く着られる服を作ることが私の信念であり、シーインのような大量生産・大量廃棄型のビジネスとは正反対だ」と強調。「チリのアタカマ砂漠には、捨てられた服の山ができている」と警鐘を鳴らした。
アニエスベーの日本法人は11月6日、Xの公式アカウントで「アニエスベーでは、人にも地球にもやさしいものづくりを続けてきたブランドの姿勢を守るため、フランス本国で、パリにある百貨店BHVから撤退することを決定しました」と投稿した。
アニエスベーのほかにも、これまでにファッションブランドのA.P.C.(アーペーセー)や高級シャツブランドのフェガレなど、10以上のブランドがBHVからの撤退を表明している。



