記事のポイント
- 意識調査によると、COP30の開催地を知る人は日本で5%と、30カ国中最下位だった
- 「億万長者は気候変動対策費用のほとんどを負担すべき」の回答率も、最下位だった
- 一方、気候目標達成の障害に「化石燃料への依存が課題」とする割合は最上位だった
COP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)が11月10日、ブラジル・ベレンで開幕した。仏世論調査会社イプソスが30カ国計23700人を対象に実施したCOP30に関する意識調査によると、開催地を正しく答えられたのはわずか5%にとどまり、企業や億万長者に負担を求める声も他国と比べて少なかった。一方、気候目標達成への自国の課題に「化石燃料への依存」を挙げた割合は30カ国中最上位と、エネルギー構造に対する冷静な自覚がうかがえた。(社会課題ライター=川原莉奈)

日本ではわずか5%だった
ブラジル・ベレンで開催中のCOP30を前に世界30カ国で行われたCOP30に対する意識調査で、日本の関心の薄さが際立った。
調査によると、COP30の開催地を知っていたのは日本ではわずか5%にとどまり、30カ国中(平均12%)最下位だった。
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(出典:イプソス「COP30に対する意識」)
企業や業界が利益の一部を気候変動対策の資金に充てるべきだとする意見が世界的に多数を占めたなかで、これに対する日本の賛成率(45%)も30カ国中(平均65%)最下位だった。
億万長者への費用負担や、先進国による気候被害国への賠償といった再分配型の気候正義への賛同にも、日本は消極的な姿勢が目立つ。
その一方で、石油やガスなど化石燃料への依存が自国の課題と考える人の割合は、日本(34%)が30カ国中(平均24%)最上位で、国内のエネルギー構造に対する問題意識の高さがうかがえる。
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(出典:イプソス「COP30に対する意識」)
COP30の効果については各国で見方が分かれるが、気候変動対策における実質的な行動が伴わず、象徴的なものに過ぎないと考える人が多かった。これは、人々が形式的な議論に終わらず、実効性のある行動が取られるかに注目していることを示している。
【調査概要】
・調査機関:イプソス
・実施日: 2025年6月20日~7月4日
・対象:30カ国の75歳未満の成人計23700人



