ブースターが提供する「オリジナルTシャツ」は、まさに一石二鳥プロジェクト。オーガナイザーは、独自のメッセージやロゴをネット上でデザインし、ストーリーを添えてネット公開する。
オリジナルTシャツの販売を通じて、キャンペーンの「資金調達」を行う。その後、販売したTシャツは、口コミというマーケティングにおける重要な「販促ツール」に変身するの
だ。
さらに、ファンドレイジングにかかわる一連の活動を、サイト内で可能にしているため、オーガナイザーはワンストップショップとして同サイトを利用できる。この利便性こそが支持される大きな理由だ。
■1件で600万円を達成
このようにしてブースターを通じて立ち上がったキャンペーンは、家族の医療費負担を募るキャンペーンや、動物愛護、学校の教育費サポートや災害援助と多岐にわたる。
例えば、カントリーシンガーのジェシー・テイラー氏は昨年、ワシントン州オソ市の地滑り災害の被災者家族のサポートキャンペーンとして、「オソ・ストロング」を展開。3千枚を超えるTシャツを販売し、約5万2千ドル(約625万円)の寄付集めに成功した。
また、ルイジアナ州在住のガンと闘う2歳の少年サム・ロウトンくんとその家族を支えるための「サム・ストロング」キャンペーンは、約4千枚のTシャツ販売を通じて、寄付総額は5万5260ドル(約
660万円)に上った。
PR ディレクターのパトリック・ラフター氏いわく「現在Tシャツの配送サービスは米国内のみの展開だが、海外からも同様のサービスを求める声が高まりつつある。パンパシフィック並びにヨーロッパを中心に、近い将来ブースターのサービスを展開予定だ」と語ってくれた。
メッセージやスピリットの込められたTシャツをともに着ることで、多くの共感が得られるのも事実。非常にソーシャルビジネスらしいサービスを提供するブースターの今後の発展が楽しみだ。
※この記事は、オルタナ42号(2015年9月30日発売)のsocial business around the worldで連載したものを転載しました。オルタナ42号の詳細は⇒ http://www.alterna.co.jp/16271