ジェットコースターのようなCOP22だったが、期待された成果を上げた

パリ協定が決まった2015年と違って、2016年のCOP22は、手続き的な決定が大半を占めるCOPと思われていました。しかし、この歴史的な早期発効を受けて、一気に注目を浴び、華やかなお祝いムードで始まりました。

ところがCOP22が始まって2日目、アメリカ大統領選挙の結果が分かりました。温暖化対策に否定的なトランプ政権が誕生したことで、COP22は一気に冷や水を浴びせられました。「温暖化は中国が作り上げたでっち上げ」とまで選挙キャンペーン中に豪語していたトランプ候補の誕生は、世紀のパリ協定にとっても大きな懸念材料となったのです。会場の雰囲気は、お祝いムードから一気に暗雲がたちこめる、ジェットコースターのような展開となったのです。

フランス・オランド大統領

会場に映し出されるオランド仏大統領

しかし結論から言うと、COP22における交渉にはトランプ政権誕生のニュースはほとんど影響なく、COP22は本来期待されていた成果をきちんとあげて閉幕しました。もともとCOP22に期待されていたのは、パリ協定のルール作りの作業計画が明確な終了期限を持って具体的に決まること。そしてパリ協定をまだ批准できていない国を含めてすべての国がルール作りに参加できるようにすることでした。

2週間の交渉の結果、COP22において開催されたパリ協定第1回締約国会合(以降CMA1と呼ぶ)は一旦中断の手続きを取り、2018年のCOP24までにパリ協定のルール作りを完了させて、再開するCMA1でルールを採択すると決まったのです。パリ協定は必要なルール作りを2018年までに終え、2020年に始動する準備が整うことになりました。

なぜCMA1を中断させるかというと、パリ協定が発効すると、未批准の国はパリ協定のルール採択を行うことになるCMA1には、決定権のないオブザーバーとしてしか参加できなくなります。これらの国々もルール作りに参加できるようにするためです。

CMA1を中断させている間に、これまでルール作りを行ってきたパリ協定特別作業部会(以降APAと呼ぶ)で交渉が継続されることが決まりました。APAは、パリ協定や京都議定書の親条約であるCOPの下にあって全員が参加しているので、まだパリ協定を批准していない国もパリ協定のルール作りに参加できることになったわけです。

パリ協定のルール作りを2018年までに完了させることが決定

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