ヤマハ執行役員、総合楽器メーカーの責務を語る

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髙井 正人・ヤマハ執行役員 人事・総務本部長

サステナブル・オフィサーズ

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髙井 正人・ヤマハ執行役員 人事・総務本部長
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川村 雅彦・オルタナ総研所長

1887年(明治20年)創業のヤマハは、音と音楽を通じて顧客と共に130年歩んできた。2013年に就任した、中田社長の強いリーダーシップのもとでヤマハフィロソフィーを制定し、経営ビジョンを明確化。持続可能な社会の実現に向けて、新たな感動と豊かな文化をより多くのステークホルダーと共に創り続けている。その視点を日本から海外へ、ハード面からソフト面へとさらに広げている。人事・総務本部長を務める髙井正人執行役員に、ヤマハのCSR/CSVについて伺った。

川村:「CSRレポート2016ダイジェスト版」を拝見しましたが、CSRビジョンが明確で、体系的に分かりやすくまとめられていると感じました。マテリアリティもきちんと記載されています。2015年頃に企業理念やCSRの考え方を新たに策定されたのでしょうか。

髙井:ヤマハの企業理念を端的に示すものとして、以前からコーポレートスローガン「感動を・ともに・創る」を掲げていました。現社長の中田卓也が就任してから、ヤマハグループ全体がより一体感を持って同じ方向に向かっていくために、改めて「ヤマハのDNAとは何か、ヤマハらしさとは何か」について議論しました。

その結果、2016年4月に企業理念体系を再整理し、「コーポレートスローガン」「企業理念」「顧客体験」「品質指針(ヤマハクオリティー)」「行動指針(ヤマハウェイ)」の5つを『ヤマハフィロソフィー』として設定しました。

川村:「感動を・ともに・創る」はコーポレートスローガンだったのですね。

髙井:当社にはお客様や社会と一緒に感動を共にするという考え方がベースにあります。音と音楽で培った技術をコアにしながら「新しい感動」や「豊かな文化」をお客様と共に創り、より良い社会を目指していく。そこに当社の存在価値があると考えています。

『ステークホルダーへの約束』として、「顧客主義・高品質主義に立った経営(お客様に対して)」「健全かつ透明な経営(株主に対して)」「人重視の経営(ともに働く人々に対して)」「社会と調和した経営(社会に対して)」の4つを設定しています。

川村:ステークホルダーが顧客から社会へ広がり、さらに持続可能性が加わったのですね。ところで、グローバル・コンパクトはいつ署名されたのですか。

髙井:2011年6月です。CSRレポートはISO26000の中核主題に沿って構成しています。

川村:目次、トップコミットメント、第三者意見を見ると、そのレポートの内容と水準が分かりますが、いずれも簡潔でわかりやすくなっています。CSR推進はトップダウンで進められているのですか?

髙井:中田は過去に事業部門長も務めており、CSRにもトップの強い意思が入っています。トップコミットメントにもありますが、「なくてはならない、個性輝く企業」を目指すことで、これからも社会と共生し、社会の持続的発展に貢献したいと考えています。

川村:バックキャスティングで考えられているかと思いますが、トップが長期的にどういう企業でありたいかを宣言することは重要だと思います。

続きは「サステナブル・ブランド ジャパン」サイトへ

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #CSR

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