
EUで道路、森林、公園などの公共スペースで農薬撤廃が進んでいる。ドイツはすでに実施に踏み切り、フランスも2020年からの予定を2017年からに前倒しした。ベルギーなどでは農薬ゼロの自治体も増えている。EU全体において公共スペースでの農薬使用量は全体の1割に過ぎず、本丸である「農業規制」は進んでいないものの、外堀から埋めていく作戦だ。(羽生 のり子)
EU加盟国の農薬規制は、「農薬のサステナブルな使用」を目的として2009年に採決されたEU指令2009/127/ECを国内法化したものだ。このEU指令は農業での農薬使用にも言及しているが、農業も含めた全般的な農薬規制を実施しているのはスウェーデンとデンマークのみ。しかし、公共スペースでの規制はドイツ、フランスで始まっており、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクも禁止を決めた。